資格スクールや通信教育が盛り上がっているが…
資格のスクールや通信教育が人気があるようです。勉強は大切ですが、まずは理想とする自分を実現するために、何を学び、どういう能力を獲得しなければならないのかを考える必要があります。私は大学時代、日商簿記検定1級に一発合格しましたが、就職が決まらずに卒業を迎え、フリーター生活を余儀なくされました。米国公認会計士(3回目で合格)の資格を持っていますが、初めて就職した会計事務所はクビ同然で辞めてしまいました。
このように、私にとっては、資格はキャリア形成や収入にはあまり貢献しませんでした。なぜなら、目的も何もなく、ただ流されて大学に行き、ただの不安感から資格を目指したからです。不安だからといって、安易な勉強に逃げてしまうと、貴重なお金と時間の両方を失ってしまうリスクがあるということです。
そもそも自分がどうなりたいか、そのために必要な能力は何かを冷静に捉えなければ、スクールに通ったり資格を取得したりしても、本質的な問題解決にはならず、結局その不安が払拭できるわけではありません。
資格は本当に専門知識をアピールできる手段なのか?
未だに「資格は専門知識をアピールできる手段」と信じている人がいますが、そう主張する人のポジション(立場)を調べてみましょう。その多くは、企業で人を採用・評価する人ではなく、受験産業の人間か、資格で独立し、既に十分食べていけるほど稼いでいる人の場合があります。もちろん、法律で独占業務にあたる仕事をするには資格が必要です。しかし例えば、あなたが司法書士の資格を取得したとしましょう。お客様があなたに依頼する理由は何でしょうか。自分が顧客なら、あなたにお金を払って依頼したいと思うでしょうか。いや、そもそもどこでどうやってお客様候補を見つけるのでしょうか。
例えば会社設立登記は、誰がやってもほぼ同じです。だからこそ、その契約をとるには、魅力的な提案、相手も自分もメリットが出るような交渉をして、信頼を勝ち取らなければなりません。
集客するために「広告を出す」というのは、誰でも思いつくことです。でも広告はお金がかかります。しかし、関連する企業が数社集まって広告を出せば、広告費は数分の一に削減できます。メルマガ・ブログ・ツイッター・SNSなどのネットメディアを使えば、無料でできます。さらにクロージングして契約に持っていくには、提案し交渉するという、広義のコミュニケーション力が重要です。
いずれにしても、勉強そのものよりも、勉強したことをどう仕事やお金につなげるか、つまり回収方法が重要です。ただ漠然と本を読んだりスクールに通ったりしても、まったくの徒労、エネルギーの無駄に終わってしまう可能性がありますので、ここはしっかり考えたいところです。
誰から学ぶかも大事なポイント
学ぶにしても、相手を間違えないようにしたいものです。投資で儲けたことのない人から投資について学ぶ。起業して成功したことのない人から起業について学ぶ。営業成績がぱっとしない先輩から営業を学ぶ。資格試験予備校でも、たまにその試験に合格してない人が講師をやっているケースがあるそうです。テレビでも、政治経済について作家や芸人がコメントする姿が映し出されますが、その意見は参考に値するのでしょうか。私たちは、誰からでも学ぶことができます。しかし誰から学ぶかもまた、重要ではないでしょうか。学ぶ人を間違えないためには、まずはその人が、それを語るに足る資格があるかどうかではないでしょうか。
次に現在進行形の実績。昔の遺産で食いつないでいる人も数多くいて、それは現代では通用しない可能性があるからです。(もちろん、普遍的なものもありますが)そして、その人の志です。どんなに大成功していても、その人の志に共感できなければ、学ぶモチベーションにならないからです。
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