テクノポップ/アーティストインタヴュー

MISSWONDAとワインとエレクトロポップ(4ページ目)

flawless worldからの第2弾としてMISSWONDAさんの2枚組アルバム『In Flawless』が、2月9日にリリースされました。ワインのソムリエでもある彼女とサウンドプロデュースを手掛けたレーベルオーナーでもあるAKI SUZUKIさんにインタヴュー!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

どれも似ていない10曲
 

ガイド:
「Second Blooming」は幻想的なイントロから始まりますね。同時に次の「Rain Drops Dances」でファンキーになって、ばっと風景が変わりますね。

AKI:
そうですね。今回のアルバムのコンセプトとして、10曲各々がどれも似ていない独立した存在のもの、でもMISSWONDAっていう雰囲気で最終的に統一されてまとまったものになる、というカタチを意図していたので、実はここだけでなくすべての曲が違った曲調になっています。コンセプトアルバムという程に打ち出したい強いものでは無かったので、自分達裏テーマ的なものではあったのですが、各々1曲1曲独立した世界を旅していくような雰囲気のものにしたいと思っていて。

それはどうしても打ち込み中心だとレンジ感の問題等で幅が狭まってしまうので、フルアルバムとして通して聴くのに最後まで飽きさせずに持たすのが難しい、というのを前作を作った時に感じていて。だから今回はその点も踏まえて幅を広げる努力をしました。

ガイド:
「人魚姫」・・・イントロからつかまれてしまいました。ドリーミーなんだけど、どことなくファンキーで、そこにMISSWONDAさんのウィスパー・ヴォイスが入ると不思議な世界が生まれますね。

AKI:
これは一緒にサウンドプロデュースをした坂本君の曲なんですけど、R&B的なスタイルがベースにあるトラックですよね。そこにウィスパーを乗せるっていうMIX感が普通には無いものなんだと思います。あとレーベル全体の雰囲気でもあるんですけど、近年の僕の指向としてどこかアンビエント的な靄がかった雰囲気というのが全体にあるので、このトラックでもシンセの音等でそういった雰囲気を出しています。歌詞も幻想的ですごく好きなんですよ。その兼合いでMIXも含め雰囲気を詰めていった感じです。ボーカルの処理は水の中をイメージして特に強くエコー処理(ディレイ+リバーブ)をしています。

ガイド:
ラストの「Hanon」を2月8日まで期間限定無料配信をされていますね。自信がないですが、「Hanon」って、ピアノの教則本で有名な音楽家の方ですか?

MISSWONDA:
そうです。
子供の時ピアノを習ってる子は、皆、ハノンの教本ってやらされるんじゃないでしょうか。私も昔、お稽古事で習ってる時そうだったんですけど、とにかく退屈だったの(笑)。指を鍛える為の教本なんで、メロディーとか曲じゃなくて、音符のつぶを指で追いかけるだけっていうか。あ、もちろん教本としては素晴らしいんでしょうけど。

この「Hanon」という曲は、平和で幸せでまぁ満たされた生活なんだけど、でもちょっと退屈・・・みたいな、そんなちょっぴり退廃的な内容の歌詞をつけたので、そんな教本のタイトルをふと思い出して、つけてみました。この曲、メロディーがとてもクラシカルで美しいんです。そういった綺麗なものに、ちょっとだけ憂鬱なスパイスをふりかける、みたいな感覚が昔から好みなんです。

AKI:
そうですね。これが普通にスペクタクルだったりただ感動的な歌詞だったら逆に面白くないと思うんですよ。だからミカちゃん(MISSWONDA)が僕のこの曲にこの歌詞を書いてくれた時はとても感動しました(笑)。ブックレットに対訳が載っているのでぜひ読みながら聴いて欲しいですね。あとタイトルに合わせて僕もアレンジでシンセのリフをちょっとそれっぽくしています。親指が同音で上の音を動かして、とか。あくまでイメージレベルですけど。
  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます