ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)
ガイド:ご両親とも数学者で、ロンドン大学インペリアルカレッジ数学部を卒業されているわけですから、きっとご両親もスプ子さんも同じ道を歩むと思っていられたのでしょうね。ご両親はスプ子さんの作品についてなにか意見は持たれていますか?
スプ子:
彼らは私のやっている事をサッパリわからないと思う(笑)。ただ良くわからないながらも応援してくれているので両親は偉大です。大きい美術館に展示したり全国紙に取り上げられたりしているので「きっとそれなりに頑張っている」と思っているのではないかな? 学者も芸術家も、「パッション」みたい部分は似ているので、深いところで理解がある気がします。
ガイド:
ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)の大学院に入学し、大きくキャリアの方向性を転向されましたが、その理由は?
スプ子:
中学生の頃からプログラミングをしていて、モテないからMacに自分宛てラブレターを読んでもらったりしていて、ずっとテクノロジーと人との関係に興味があった。だから、テクノロジーの曲ばかり書いていました。理系の研究はひとつの分野をずっと突き詰める所があるけど、アートには幅広く勉強できる、という魅力があった。実は理系時代よりRCAに入った後の方が、理系の知識の幅が広がりました。
ガイド:
ここは学士ではなく、修士・博士号のみですよね。もう卒業されたのかと思いますが、この学校の魅力は? これを見て、私もRCAを目指したいという読者もいるかもしれませんので。
スプ子:
RCAは世界で一番先進的な考え方や作品が行き交っている環境。先生と衝突し新しい考えを打ち出す学生こそスターとして評価されました。世界最高峰の芸術大学院だからこそ、世界最高峰の「パンク」を誇ってた。行ける人は行った方がいいと思います。
ガイド:
普通、テクノ系に関わらず、ミュージシャンの場合、先ずはCDなどの音源を主体とし、映像はプロモーション的な使われ方がする事が多いですが、スプ子さんの場合、全て動画ですよね。しかも、ほとんどの作品を動画サイトに気前よく掲載しています。確かにスプ子さんの作品は映像表現でその真意が伝わる部分も大きいと思いますが、今後もあくまでも動画のみでの作品発表を考えられているのでしょうか?
スプ子:
動画のみという風に縛るつもりはありませんが、今の所は動画作品が一番スプツニ子!の表現に合っていると思っています。