照明・LED/LED照明

LED電球と普通電球、明るさの違いは?

家電エコポイントの「即時交換」制度の優遇処置によってLED電球を半値で購入できるようになりました。これによって、ますますLED電球が普及し、ヒット商品になることが予想されます。照明と言えば、「省エネ」という部分だけが取り上げられますが、はたしでそれだけで良いのでしょうか。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

変える?変えない?LED電球 

LED電球

写真1.多種多様化するLED電球

先日、大型家電量販店に買い物に行きました。少し気になったのでLED電球が売られているコーナーを見ていたら、若い夫婦と思わしき人がLED電球のパッケージを見ながら購入するかどうか迷っているようでした。価格についての話や寿命が長いからランプ交換しないでいいような話が聞こえてきましたが、結局買わずに行かれました。

初期のLED電球はパッケージに、例えば電球の60W相当と表記されて、いかにも電球の60Wと同じ明るさが得られるものと誤解するような表記でした。現在はその様な問題が生じないよう主力メーカは電力(W)ではなく、光量である光束(lm)に書き換えられています。

色温度比較

写真2.色温度によって光束が違う

例えば、10W のLED電球で昼白色は820lm、電球色は620lmになっています。普通電球の60Wが810lm(メーカによって若干異なる)ですので、比較してみると昼白色タイプに限って電球の60W相当と言えるのです。

昼白色に比べ電球色のLED電球の光束はどのメーカも大体20~30%低下します。したがって、もともと暖かい光を好んで住宅の照明に使用している方は、光量の少ないLEDを選ばなければならないので、少し不利になります。

 

エコポイントの優遇措置とLED電球

ところで、家電エコポイントを持っている方が多いと思いますが、「即時交換」制度の優遇処置によってLED電球を半値で購入可能になりました。例えば3000円のLED電球を購入するのに、従来は3000ポイントが必要でしたが、新制度では1500ポイントで即刻購入できるようになっているのです。この制度によっておそらくLED電球は今年もたくさん売れ、ヒット商品になっていくものと考えられます。

そこで心配なのはランプの効率や寿命と言った、機能的メリットだけで購入していく人たちの家の照明環境です。その様な人たちはLEDが不点になるまで交換しないことが考えられます。それは、場合によって10年以上に渡って照明を変えないことになります。

現在の照明が雰囲気や演出効果の点で最適の状態にあればよいのですが、そうでなければこれからの10年間、もしかしたらストレスのたまる光の中で過ごすことになるのです。

照明に注目が集まるのは、良いことなのですが、省エネだけに焦点が当てられ、光の質や雰囲気といった重要な部分は相変わらず見過ごされているような気がしてなりません。

【関連記事】
「住宅照明がLEDに変わる1」
「住宅照明がLEDに変わる2」
「住宅照明がLEDに代わる3」

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