変える?変えない?LED電球
写真1.多種多様化するLED電球
初期のLED電球はパッケージに、例えば電球の60W相当と表記されて、いかにも電球の60Wと同じ明るさが得られるものと誤解するような表記でした。現在はその様な問題が生じないよう主力メーカは電力(W)ではなく、光量である光束(lm)に書き換えられています。
写真2.色温度によって光束が違う
昼白色に比べ電球色のLED電球の光束はどのメーカも大体20~30%低下します。したがって、もともと暖かい光を好んで住宅の照明に使用している方は、光量の少ないLEDを選ばなければならないので、少し不利になります。
エコポイントの優遇措置とLED電球
ところで、家電エコポイントを持っている方が多いと思いますが、「即時交換」制度の優遇処置によってLED電球を半値で購入可能になりました。例えば3000円のLED電球を購入するのに、従来は3000ポイントが必要でしたが、新制度では1500ポイントで即刻購入できるようになっているのです。この制度によっておそらくLED電球は今年もたくさん売れ、ヒット商品になっていくものと考えられます。そこで心配なのはランプの効率や寿命と言った、機能的メリットだけで購入していく人たちの家の照明環境です。その様な人たちはLEDが不点になるまで交換しないことが考えられます。それは、場合によって10年以上に渡って照明を変えないことになります。
現在の照明が雰囲気や演出効果の点で最適の状態にあればよいのですが、そうでなければこれからの10年間、もしかしたらストレスのたまる光の中で過ごすことになるのです。
照明に注目が集まるのは、良いことなのですが、省エネだけに焦点が当てられ、光の質や雰囲気といった重要な部分は相変わらず見過ごされているような気がしてなりません。
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