不整脈治療に使われる薬一覧(作用・副作用)
抗不整脈薬は、強い症状を引き起こす不整脈や危険な不整脈を抑えるのに役立ちます。治療が必要が場合は満足できる効果が得られるまで、何種類もの薬を試さなければならない場合もあります。抗不整脈薬によって、かえって不整脈が悪化したり、新たな不整脈が起こったりすることもあるので、専門医による慎重な治療が必要です。不整脈治療に使われる主な薬一覧は、以下の通りです。■ナトリウムチャンネル遮断薬
心室期外収縮、心室頻拍、心室細動の治療に用い、心房細動を正常洞調律へ回復させます(カルジオバージョン)。
主な副作用は、不整脈(特に心臓病の人では致死的)、消化不良、めまい、ふらつき、ふるえ、尿閉、緑内障のある人での眼圧上昇、口の渇き、心臓を流れる電気刺激の伝導速度を遅くしてしまうなど。
- ジソピラミド
- フレカイニド
- リドカイン
- メキシレチン
- モリシジン
- フェニトイン
- プロカインアミド
- プロパフェノン
- キニジン
- トカイニド
■ベータ遮断薬
心室期外収縮、心室頻拍、心室細動、発作性心室頻拍の治療に使用。心房細動や心房粗動に対し、心室拍動を遅くさせるために使用。
副作用として、異常に遅い心拍(徐脈)、心不全、気道のれん縮(気管支けいれん)、測定不能なほどの低血糖値、胴・腕・脚の血流障害、不眠、息切れ、抑うつ、レイノー現象、幻覚、性機能不全、疲労感。一部の薬で中性脂肪値の上昇。喘息の人は使用してはいけません。
- アテノロール
- メトプロロール
- ナドロール
- プロプラノロール
心室期外収縮、心室頻拍、心室細動、心房細動、心房粗動の治療に使用。主な副作用は、不整脈、肺組織の瘢痕化(肺線維症)、低血圧。ソタロールでは、ベータ遮断薬と同じ副作用(上記参照)。アミオダロンは毒性があるため重症不整脈の長期治療にのみ使用。ブレチリウムは命に関わる心室頻拍の短期治療にのみ使用。
- アミオダロン
- ブレチリウム
- イブチリド
- ソタロール
心房細動や心房粗動に対して心室拍動を遅くする目的および発作性心室頻拍の治療目的で使用します。ジルチアゼムとベラパミルには房室結節を通る電気刺激の伝導速度を遅くさせる作用があります。
主な副作用は、便秘、下痢、低血圧、足のむくみ。ジルチアゼムやベラパミルなど、一部の薬のみ有効。一部のウルフ‐パーキンソン‐ホワイト症候群の患者にはジルチアゼムとベラパミルを使用してはなりません。
- ジルチアゼム
- ベラパミル
■ジゴキシン(ジギタリス製剤)
■プリンヌクレオシド
発作性心室頻拍の治療に使用します。
副作用は、気道のれん縮(気管支けいれん)、短時間の顔面紅潮 房室結節を通る電気刺激の伝導速度を遅くするなど。喘息の人は使用してはならない
- アデノシン