ドリフターズの加藤茶さんを襲った「解離性大動脈瘤」とは、どんな病気なのでしょうか? テレビでこの病気の説明を聞いた人も、メカニズムを理解しづらかったのではと思います。今回はこの「解離性大動脈瘤」の仕組みについて身近なものに例えながら、分かりやすくご説明しましょう。


大動脈はバームクーヘン・心臓は水鉄砲

動脈は、お菓子のバームクーヘンに似た構造をしています。輪切りにして断面を見ると、内膜、中膜、外膜の三層構造になっています。ただし、内膜は一層で薄く、中膜は厚く、外膜は薄いので、ここはバームクーヘンと異なります。

また、皆さんは水鉄砲で遊んだことはありますか? 普通の水鉄砲は水を吸って押し出し終わると水がとまってしまいます。もし心臓が水鉄砲と同じ構造だったら、最低血圧は0になってしまいます。それを防ぐために、空気室付きの水鉄砲があります。引き金を引き終わっても、空気室で圧縮された空気が水を押し出し続けるので、水の勢いは落ちても水流は止まりません。もちろん、空気室のように、空気は入っていませんが、大動脈がこの空気室と同じ役割をしています。

心臓が送りだした血液は一度大動脈を膨らませます。次に膨らんだ大動脈が今度は縮みながら、血液が流れて行きます。大動脈は一番高い圧を受けていることになります。


解離性大動脈は剥がれたウエハース

血液が中膜に侵入
血液が中皮に侵入すると大変です!
ウエハースというお菓子があります。2枚の焼いたクレープがクリーム挟んでいます。クレープを一枚はがして、クリームを直接食べたことはありませんか?

解離性大動脈瘤は、血液をイチゴジャムとすると、イチゴジャムが、クリームの層(中膜)に入り込んで、どんどん、動脈の三層構造が壊れてしまった状態です。中膜に入った血液はどんどん進んで、解離が進行してしまいます。


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