マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

マンションの間取り研究(8)洗面所・浴室

マンションの洗面所・浴室の配置はほぼパターン化されているものの、探してみると「あっ、これいいな」というプランに出会えます。良いプランとはすなわち住まい手の生活スタイルに沿うプラン。事前に条件を書き出しておくことをお勧めします。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

洗面所と浴室

お風呂で一日の疲れを癒すなら、居心地の良い浴室がいいですね。

お風呂で一日の疲れを癒すなら、居心地の良い浴室がいいですね。

マンションの洗面所と浴室なんてどれもほとんど同じ配置なんでしょ?と思いがちですが、探してみると「ああ、これいいな」と思う、よく練られたプランに出会えることがあります。

洗面所・浴室は住まいの中の主役ではないかもしれないけど、一日の疲れを癒すお風呂がとても居心地のよい場だとしたら、家に帰るのも楽しくなりますよね。


 

マンションの洗面所は脱衣所を兼ねる

本来、顔を洗う・歯を磨く・髪を整える・化粧をする場である洗面所と、入浴前後に衣服の着脱を行う脱衣室は、目的が異なります。他人が入浴中に洗面所が使えない不便さを考えると、洗面所と脱衣所は別室としたほうが使い勝手が良いのですが、マンションではスペースの効率化から「洗面・脱衣所」としてワンセットに扱われることが多いのが現状です。

洗濯機置き場の位置は?

さらに「洗濯機をどこに配置するか」という問題もあります。

・エコ・節約で洗濯に浴槽の残り湯を使うご家庭が増えた
・脱衣室を兼ねているため脱いだ衣類をそのまま洗濯機に入れやすい

このような理由から、浴室に隣接する洗面所(兼脱衣所)に洗濯機置き場が設けられるケースが多くなっています。

家事スペースを設ける例も

専有面積が広くゆとりがある場合は洗面所とは別に「家事スペース」を設け、洗濯機置き場、アイロン台などが置けるようになっている間取りもあります。キッチンに洗濯・乾燥機が組み込まれていることもあります。

無駄なくコンパクトな洗面・脱衣室 

専有面積が広くなると洗面・脱衣室にもゆとりが出てくる

専有面積が広くなると洗面・脱衣室にもゆとりが出てくる

マンションの洗面・脱衣室はどちらかというと他の部屋より優先順位が低くなりがちです。専有面積70~80m2のマンションでは、洗面所には洗面台・洗濯パン・リネン庫が無駄なくコンパクトに配置され、空間にゆとりのある物件はあまりないと考えてよいでしょう。

ゆとりがなくても使い勝手がよさそう、窓がついているなど工夫の見られる間取りを選びたいものです。


 

抜けている「脱衣スペース」 

意外と抜けているのが「脱衣スペース」という視点。洋服の脱ぎ着をする時、人の周囲にはある程度のスペースが必要です。一般的に洗面台の前がそのスペースにあてられるのですが「無駄なく」設計したために洗面台の手前の空間が狭く、腕をあげたりかがんだりするのに窮屈に感じることも。着替えにスペースが必要な赤ちゃんや小さなお子さんがいるご家庭では、洗面所にゆとりのある間取りを選ぶ方がいいでしょう。

浴室はユニットバスが主流 

水漏れの恐れが少なく、品質にムラがなく、大量生産できるユニットバスが、現在のマンション浴室の主流になっています。最近のユニットバスは保温材でくるんだ保温力の高いもの、渇きやすい床材、カビにくい内装材など、どんどん進化しています。

ユニットバスのサイズ

ユニットバスのサイズは1216、1317、1418、1620などと数字4ケタで表されます。数字はタテヨコの内法寸法を示し、例えば1620サイズとは短辺方向の内法が1.6メートル、長辺方向の内法が2メートルの製品となります。

大まかに分類して90m2以上のマンションで1620、60~80m2程度のファミリータイプで1418、それ以下の面積で1317、1216が使われているようです。1418タイプ以上なら足を延ばしてゆったり入れます。

それでは次のページで魅力的な洗面所・浴室の間取り例をご紹介します。

 

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