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MR認定試験の合格率・実施日・試験科目や資格の有効期限・更新

MR認定試験は製薬業界内の認定試験で、合格率は平均で80%以上。合格しなくてもMR業務を行うことはできますが、MR認定証を取得していないと一人前のMRとは認められません。5年ごとに更新が必要で、5年間継続教育を受講する必要があります。

高橋 俊夫

執筆者:高橋 俊夫

MRの転職ガイド

MR認定試験

MR認定試験は製薬業界内の認定試験で、合格率は平均で80%以上。合格しなくてもMR業務を行うことはできますが、MR認定証を取得していないと一人前のMRとは認められません。5年ごとに更新が必要で、5年間継続教育を受講する必要があります。

【目次】  

MR認定試験の概要

MR認定試験は、MRの資質向上のために公益財団法人MR認定センターの主催で1997年から実施されている試験です。試験に合格して一定の実務教育および実務経験を積むと同センター発行の「MR認定証」を取得することができます。 

MR認定試験は看護師や薬剤師の国家試験のような資格試験ではありませんので試験に合格しなくてもMRとして業務を行うことはできます。ただ、製薬企業やCS0(Contract Sales Organization:MR業務受託・派遣企業)ではMRに対してMR認定証取得をほぼ義務付けているといえます。

■MR認定試験の合格率
2016年12月までに延べ15万5000人以上が受験し、平均合格率は80%程度。大手の製薬企業やCSOでは合格率は90%を超えています。入社後真剣に受験に取り組めば、決して1度の受験で合格できない試験ではないでしょう。

【関連リンク】
MR試験センター発表の合格率情報:これまでの試験結果一覧

■試験実施日程・試験実施場所・試験科目
試験は毎年12月に東京と大阪で行われます。試験科目は医薬品情報・疾病と治療・医薬概論の3科目。科目ごとに合否が判定され、MR認定証を取得するには3科目全て合格する必要があります。不合格の科目があった場合、次回は不合格の科目だけ合格すれば足ります。受験手数料は2科目以上13,200円(税込)1科目8,800円(税込)。なお、医師と歯科医師および薬剤師は、医薬品情報・疾病と治療の受験が免除されます。
 

どうすれば試験を受けられるの?

製薬企業かCSOに在籍している人は、導入教育を受講し、修了認定を受けることで受験資格を得られます。また受験申請は個人で行う必要はなく、所属する企業経由で行われます。

2008年度までは、製薬企業かCSOで導入教育を受けて修了認定された人にしかMR認定試験の受験資格はありませんでした。2009年度からは製薬企業やCSOに所属していない人でもMR認定センターが認定した教育研修施設で300時間の基礎教育を受講して修了認定されれば、受験資格が得られるようになりました。
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MR認定試験は製薬企業などに所属していなくても受験可能に!


MR認定試験は製薬企業やCSOに入社してから受験するのが一般的。入社後の受験でほとんどの人は合格するため、MR未経験者の場合は応募時点で認定試験に合格していなくても選考上は全く不利にはなりません。入社後に勉強して合格すれば十分です。なお、教育研修施設で受験資格を得た場合は、MR認定試験合格後、製薬企業またはCSOに入社して実務教育を150時間受講し、かつMRとして6ヶ月の実務経験を修了しないとMR認定証を取得する事ができません。
 

試験に落ちるとどうなるの?

■MRにしかプロモーション許可を与えない病院は担当できない
大手の製薬企業やCSOでは90%またはそれ以上の人が合格する試験。不合格だと社内で肩身の狭い思いをすることにはなりますが、MR認定試験に合格できなくてもMR業務を行うことはできます。ただ、MR認定証を取得しているMRにしかプロモーション許可(MRとして病院内で活動する許可)を与えない病院は担当できません。

■昇格・昇給に影響が出る
CSOではMR認定試験に合格することを昇格要件の1つとしている場合が多いため、試験に合格しないと昇格・昇給に影響が出ます。

■MRとしての転職に不利
転職に際しても、MR経験者に対する中途採用ではほとんどの場合にMR認定証を持っていることが応募条件の1つとなっているため、MR認定試験に合格していないと転職にも大きな支障となります。
 

MR認定証の有効期限は?

MR認定証の有効期限は5年間。従って5年経過したら更新が必要です。更新のためには継続教育という教育を受ける必要がありますが、更新のために改めて試験を受ける必要はありません。また更新手続は、製薬企業やCSOに勤務している方は会社が手続をします。

継続教育は、MR教育センターにより教育研修システムの認定を受けている製薬企業とCSOで受講することができます。つまり製薬企業かCSOに所属している人しか継続教育は受講できません。継続教育のカリキュラムは、以下の内容になっています。

基礎教育
  • MRの倫理(標準 10時間以上)
  • 医薬品情報(標準 10時間以上)
  • 疾病と治療(標準 10時間以上)
  • 医薬概論(標準 10時間以上)

実務教育
  • 技能・実地(企業が必要とする時間)
  • 製品知識(企業が必要とする時間)
 

途中で転職したらMR認定証はどうなるの?

MRとして別の製薬企業やCSOに転職した場合は、転職先の企業で継続教育を受けられます。転職先企業で更新手続が行われます。

ただ、製薬企業やCSO以外の企業に転職した場合や離職している場合には、個人でも更新手続を行うことができます。更新手続をしないと有効期限が切れた時点で失効してしまいます。再びMRとして働きたいと考えたとき、有効期限内のMR認定証を持っていないと応募できませんので、製薬企業やCSO以外の企業に転職したり結婚や出産などで離職する場合には、念のために個人で更新手続をしておいた方が良いでしょう。
 
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MRを辞めた後でもMR認定証の更新は可能です

 

個人によるMR認定証更新手続の方法

製薬企業やCSO以外の企業に転職した場合や離職した場合は、更新に必要な継続教育を受けられない期間(空白期間)が生じます。その継続教育の不足分を埋めて更新に必要な条件を満たすためには、MR認定センターが実施している補完教育を受講して確認試験で合格し、補完教育の修了認定を受けることが必要です。

補完教育は有効期限の前年5月中旬頃から申込みが開始され、インターネットを利用して個人のパソコンで受講します。

■補完教育の受講方法
  1. 申込み期間内にMR認定センターのホームページから受講者登録を行う
  2. 受講者登録が完了したら受講料を支払う(クレジット決済またはコンビニ決済)
  3. 折り返し同センタ-から受講のためのIDとパスワードがメールで送られてくるのでログインして受講を開始する
  4. パソコンを持っていない場合は用紙方式による受講もできる(詳細はMR認定センターで要確認)

受講内容
  • 科目は医薬品情報・疾病と治療(基礎・臨床)・医薬概論の3科目
  • 受講範囲は最新のMRテキスト1~3
  • 科目ごとにドリル問題が用意され、MRテキストを参考にドリル問題を解くという形で学習(ドリルの実施時間や実施回数に制限はない)
  • 受講期間はID・パスワードの発行から18週間

■テスト
  • 科目ごとにドリルの中からテスト問題が出題される
  • 各科目のテストは正答率80%以上で合格(テストの合否は受講画面から確認できる)
  • 合格に至らなかった場合は各科目ともテストは最大3回まで実施できる
  • 3回実施しても合格できなかった場合は不合格となる

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