年金

ライフプランと老後資金準備(5)~目標額を貯めよう(2ページ目)

これまでに分散投資や複利運用など老後資金の準備方法をご案内してきましたが、今回は老後資金の目標額を設定するための考え方から、ライフプランにより、どのくらいの金額を目標額とすればよいのかみていきます。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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老後資金の目標額を計算する

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老後資金の目標額はライフプランによりさまざまです

生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人でゆとりのある老後を送るために必要な生活費は「1ヵ月36万6,000円」という結果が出ています。ゆとり資金の使い道は以下の通りで、旅行やレジャーなど自分のために使うお金が多くなっていますが、身内・友人の付き合いなど交際費に関する支出も多くなっています。
ゆとり資金の使途

(生命保険文化センター「平成21年生活保障に関する調査」より)

リタイア後は、旅行や趣味を十分楽しみ、またいろいろな人とのお付き合いも大切にしたいと考える人が多いといえるでしょう。総務省も家計調査によると現在の高齢夫婦無職世帯の実収入は224,154円なので、「老後はゆとりのある生活を送りたい」と考える場合は毎月約14万2,000円の不足額が生じます。

また、老後資金をいつから使い始めようと考えているのかという調査では、最も多いのが「65歳から」です。
老後資金の使用開始年齢

(生命保険文化センター「平成21年生活保障に関する調査」より)

仮に80歳までゆとりある生活を送ろうとすると、毎月14万2,000円の不足額を15年分準備する必要があるので、準備しておきたい老後資金の金額は2,556万円(=14万2,000円×12ヵ月×15年)になります。もしこの金額を預貯金で準備しようとすると、現在の低金利状態では時間をかけても増えることはほとんど期待できません。預貯金以外の金融商品にも分散投資を行って運用すれば、毎年の積立額は以下のような金額になります。
毎年の積立額

 

これまでにご案内したように、老後資金は他の三大資金(教育資金・住宅取得資金)準備と比較して時間をかけることができるので、分散投資あるいは長期投資のメリットをうまく利用することが可能です。早めに準備を始めることで、無理なく目標が達成できるような計画をたててみましょう。
 

自分に必要な老後資金の目標額を決めるには?

自分に必要な老後資金の目標額を決めるには、自分の老後の収入および支出をもう少し詳細に検討する必要があります。会社員の場合は、定年退職時に退職一時金が支給されればこの金額から退職一時金の額を差し引くことができます。また、自営業者やフリーランスの場合は、老齢年金が国民年金から支給される老齢基礎年金のみなので年金収入は会社員に比べて少なくなりますが、仕事を続ける年齢は自分で決めることができます。老後資金を使い始める年齢が65歳以上ならば、老後資金を使う期間を短くすることができるでしょう。

また、自分の理想の老後の生活により、支出額も変わってきます(「理想の老後を送るには~田舎暮らし編」「あなたの理想の老後を送るには~海外生活編」などをご覧ください)。さらに、昔と違ってリタイア後の生活も現役時代の生活と同じくらいアクティブで華やかなものになっています。自分の現在の生活から将来へ向けての生活をシミュレーションしてみると収支の状況を把握しやすくなるでしょう。

老後資金はだれにでもいつか必要な時期がくる資金です。リタイア後の生活が豊かで楽しいものになるよう、リタイアメントプランをたてて準備を始めましょう。

※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。

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