住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

「住宅ローン減税」確定申告2010年版/記入方法(2ページ目)

今年も「住宅ローン減税」の確定申告の季節がやって来ました。税金は難しくて苦手という人には試練の時期の到来です。しかし、自分で還付請求しなければ税控除は受けられません。逃げるわけにはいかないのです。本コラムで「計算明細書」の記入方法をしっかりマスターし、苦手意識の克服にお役立てください。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド


家屋と土地それぞれの価格が分からなければ、合計金額だけでいい 

イメージ写真

消費税が「非課税」となる中古マンションの取り扱いは?

計算明細書には「家屋」と「土地」それぞれの取得対価を別個に記入しなければなりません。そのため、消費税額が分かる新築マンションの場合は、前ページの方法で消費税額から逆算して算出ことができますが、他方、消費税が課税されない中古マンションの場合は、そうはいきません。では、どうすればいいのでしょうか?

その場合は合計金額のみ記入しておけば大丈夫です。下記のように、(ロ)と(ホ)は空欄でかまいません。

その代わり、最下図「4 家屋や土地等の取得対価の額」の「(C)合計」の欄に、必ず合計金額を記入しておいてください。「家屋」と「土地」それぞれの取得対価が分からない以上、記入しろと言うほうが無理です。税務署にも確認しましたが、合計額だけで問題ありません。

2.新築または購入した家屋等に係る事項
新築または購入した家屋等に係る事項


 

土地の持分は「敷地権割合」から計算することができる

続いて、今度は上図の「総(床)面積」欄、(ハ)と(ヘ)の記入方法に話を進めましょう。ここは新築・中古の別はありません。分譲マンションの場合

 (ハ)登記簿上の専有面積
 (ヘ)マンションの敷地全体に対する、自分の持分割合に応じた土地面積

を記入します。たとえば、マンションの敷地面積が1万平方メートル、ご自身の持分割合(敷地権の割合)が1万分の50だとすると、(ヘ)は50平方メートルとなります。敷地面積も持分割合も、登記簿(登記事項証明書)あるいは売買契約書で確認することができます。

なお、100%居住用でない場合は、非居住用部分の床面積を差し引いた面積を(ニ)と(ト)に記入することになります。住宅ローン減税を受けるには、専有面積の2分の1以上が専ら自己の居住の用に供されることが必要です。100%居住用であれば、(ハ)=(ニ)、(ヘ)=(ト)となりますが、事務所併用住宅などの場合は数値(面積)が異なってきます。

自分の持分の範囲でしか、住宅ローン減税は適用されない

3.増改築等をした部分に係る事項
増改築等をした部分に係る事項

 

次に、ここはリフォームをした方が住宅ローン減税の申請する際に記入する欄です。(チ)居住開始年月日は、仮住まいを伴う大規模リフォームだった場合には仮住まい先から戻ってきた日、日常生活しながらリフォームした方は工事がすべて完了した日を記入します。そして、その下欄(リ)「増改築等の費用の額」には、実際の工事金額を記入してください。

なお、念のため復習しておくと、この工事金額が100万円超でないと住宅ローン減税は受けられません。かなり大掛かりなリフォームでないと対象にはならない点、ご注意ください。


4.家屋や土地等の取得対価の額
家屋や土地等の取得対価の額

 

そして、共有者がいる人は上図「あなたの共有持分」欄に、ご自身の持分割合を記入することになります。通常、資金の出資割合に応じて持分を持つ(=共有する)はずですので、たとえば親が現金で1000万円を出資している場合には、親は住宅ローンを組んでいませんが、共有者とする必要があります。贈与税対策としての常とう手段です。

住宅ローン減税は、“自分”が住むためのマイホームを住宅ローンを組んで取得した人を適用の対象としています。そのため、“自分”の持分割合に対してしか、減税の範囲を認めていません。つまり、共有者がいる場合、単独所有に比べて還付される減税額は少なくなってしまうのです。この点、制度の仕組みを正確に理解しておいてください。




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