シェフの名は蜂須賀喜八郎

開店しまだ半年もたたないが、じわじわとその名が知られ始めてきた。グラース。シェフの名は蜂須賀喜八郎。戦国武将のようなお名前といでたちは実に個性的だ。満を持して開店したグラースだが、その前は青山のブノワで腕を振るっていた料理人だ。

その料理は繊細で優しく、そして食べる側の気持ちの中に寄り添うように皿を彩る。
店内

白を基調にしたシンプルな店内

ワインで言うとアタックは弱いかもしれない。しかし、あとからにじみ出てくる旨みは長く深い。これはきっとシェフの人柄なのだろうか。料理人の人格は必ず料理に出るという。

10種の茸を使った香り高きテリーヌは寒い冬の夜の季節感を十分に表現し、ソースは滑らかに舌の上を滑り落ちる。樽の香りが効いたシャルドネと合わせると最高のマリアージュになるだろう。
テリーヌ

様々な秋の味覚が香り立つテリーヌ

自然栽培野菜のミジョテはバルサミコをきかせたフォン・ブランのソースが添えられる。シェフの最も得意とする料理と聞く。一つひとつの素材に「味」が優しく感じられるこの料理は季節毎にきっと様々な表情を作っていくに違いない。
野菜

季節野菜のミジョテ

秋鯖のマリネ、蝦夷バフン雲丹と野菜のア・ラ・グレッグ。これは素材の組合せと一つひとつの味わいのコントラストがなかなか面白い一皿。かなり細かい仕事が得意なシェフのようで、ル・マンジュ・トゥーのような切れ味よりも優しさで勝負するタイプとみた。
前菜

素材同士のマリアージュが楽しい一皿