PNDならではの魅力とは
このように見ていくと、メモリーAVナビに分があるように思えるが、PNDにはPNDならではの良さがある。まず、リーズナブルなこと。いくらメモリーナビとPNDの価格差が縮まったといえども、同じメーカーの同じ容量のメモリーを積んだPNDとメモリーAVナビなら、PNDのほうが数万円安い。しかもPNDは自分で取付られるが、メモリーAVナビは取付費用がかかるので、その差はさらに広がる。徒歩ナビで使えるのも、PNDの特権だ。とくにパナソニックの「旅ナビ」CN-SG500Dは、カメラを内蔵しているので、道案内をするだけではなく写真を撮ったり、画面に映った建物の情報を表示したりといったこともできる。またガイドブックの情報を搭載しているので、事前に旅のプランを作るのにも便利。ただ道案内をするだけではなく様々な用途に使えるという意味で、本来、PNDはこうあるべきだろう。もっとも、徒歩ナビもカメラも、携帯電話やスマートフォンで代用できるので、その辺をお持ちか、使いこなしているかで、PNDに対する価値は異なるだろうが。
複数のクルマで1台のカーナビを使い回しできるのも、PNDならではだ。一人1台のクルマを所有している家族で1台のナビを手に入れるとしたらPNDがローコストで済むし、普段乗るクルマのほかに古いオープンカーなど遊び用のクルマを所有しているといった人も、PNDが1台あると役立つ。
それぞれを選ぶ時の注意点
これまでのことを踏まえると、メモリーAVナビがいいか、PNDがいいかは、ユーザーの使い方やクルマの状況によるところが大きい。したがって、カーナビを選ぶ時は、まずご自身の状況を考えてPNDかメモリーAVナビ、どちらにするかを決める。その後、各社の機器を見比べて、希望に添ったものを選ぶ。それが、ご自身にぴったりのカーナビを選ぶ近道といえるだろう。では、これまで述べてきた以外のカーナビ選びの注意点を、少し補足しておこう。まずPNDは、見やすく操作しやすい取付場所が、自分の愛車にあるかを考えたい。PNDだから、どこにでも装着できると考えがちだが、ダッシュボードの形状や素材、エアバッグの影響、前方視界の確保、操作性など、さまざまな点を考慮すると、意外に取付場所は限られるのだ。
実際、僕の愛車はダッシュボードの上がラウンドしている上にメーターフードが大きいので、PNDの装着には苦労する。場合によっては、前方視界を多少、犠牲にした上で装着してテストしたりしている。前方視界は、画面が大きいモデルほど犠牲になりやすいので、前が見えにくい可能性があるなら、画面が小さめのモデルを選んだほうがいいだろう。
メモリーAVナビも、取付場所の確認は重要だ。ちょっと古いクルマは、ダッシュボードのオーディオスペースが低い位置にあったりするケースもあり、ここにメモリーAVナビを付けると操作性が良くないし、地図を確認する時の視線移動が大きい。そんなクルマに搭載するナビは、PNDなどのオンダッシュモニタータイプがいいだろう。またクーペタイプのクルマは、ディスクを出し入れする時に手前に飛び出すディスプレイが、シフトレバーに干渉してしまうケースもあるので、その可能性がないかも確認しておきたい。
なお、PNDとメモリーAVナビの比較は雑誌「なびすた!」にも掲載されています。
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