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どうする?小刻みな暮らしの変化(5)

前回は、よい住宅を長くつかっていくために住み手にも「住む力」が必要、ということを書きました。これまでの日本の住宅が長く住むのに向かなかった理由がもうひとつあります。これまでの住宅が「暮らしの変化」に対応できなかったからです。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

前回は、よい住宅を長くつかっていくために住み手にも「住む力」が必要、ということを書きました。これまでの日本の住宅が長く住むのに向かなかった理由がもうひとつあります。これまでの住宅が「暮らしの変化」に対応できなかったからです。

日本に長期住宅が根付かなかった理由

家を新築・新規購入する動機のひとつとして、家族の成長が挙げられます。「子どもが生まれた(増えた)」「子どもが自分の部屋を欲しがるようになった」「ペットを飼いたい」など。暮らしの変化と現在の住まいとにギャップを感じ、より暮らしに合う環境を求めた結果、やっぱり現在の賃貸(持ち家でも)から住み替えようと決断するケースですね。

左

耐力壁や筋交いを抜くには慎重な検討と補強がこれまで必要だった

ただ、買った時はピッタリサイズだったマイホームも、家族の成長とともに暮らしも変わっていきますから、そのたびに住み替えていたのではもちろん大変。できるだけその時々の家族のスタイルに合わせて、融通無碍に住み方を工夫する力が必要になってきます。

特に子どもの幼少期は、1年単位で家族の暮らし方も変わってきます。ねんねの赤ちゃん時代はインテリアもそのままに楽しめていたけれど、動き出した途端、低いところのものは高い位置に上げていって、低い引き出しや扉にはストッパーをつけたり、ベビーゲートが必要になったり。子どもの安全性が優先される時期ですね。

子どもの成長など1年ごとに家族の形は変わっていく

そんなハラハラ期も数年で過ぎ、何でも自分でやりたくなる好奇心旺盛な時期がきます。それでもやっぱりお母さんのそばにまとわりついて、家事は子どものペースで振り回されがち。この頃でもまだ専用の子ども部屋は不要の家庭も多いはず。

学童期

学童期は1年ごとに増えていく教科書類も半端じゃない…

しかし、学童期になれば、子どもの生活はガラッと変わって、自立への階段を上り始めます。子ども部屋もほしくなるし、集中して宿題や勉強できるスペースも必要に。ランドセルや絵の具や学用品など、子ども自身の荷物も増えてくる。そしてその時期を過ぎると、いずれは自立して家を出て行くという可能性も視野に入れなければなりません。

子どもが巣立ったと思ったら、今度は自分達や自分の親の老いという現実ものしかかってきます。住まいにおいては、予防としてのバリアフリー化や介護の必要性からの住宅改修が必要になる可能性は大きくなってきます。在宅で介護をしている家庭も少なくなく、そうすると日常的にヘルパーさんなど家族以外の外部の人の出入が発生します。
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