日本に長期住宅が根付かなかった理由
家を新築・新規購入する動機のひとつとして、家族の成長が挙げられます。「子どもが生まれた(増えた)」「子どもが自分の部屋を欲しがるようになった」「ペットを飼いたい」など。暮らしの変化と現在の住まいとにギャップを感じ、より暮らしに合う環境を求めた結果、やっぱり現在の賃貸(持ち家でも)から住み替えようと決断するケースですね。耐力壁や筋交いを抜くには慎重な検討と補強がこれまで必要だった
特に子どもの幼少期は、1年単位で家族の暮らし方も変わってきます。ねんねの赤ちゃん時代はインテリアもそのままに楽しめていたけれど、動き出した途端、低いところのものは高い位置に上げていって、低い引き出しや扉にはストッパーをつけたり、ベビーゲートが必要になったり。子どもの安全性が優先される時期ですね。
子どもの成長など1年ごとに家族の形は変わっていく
そんなハラハラ期も数年で過ぎ、何でも自分でやりたくなる好奇心旺盛な時期がきます。それでもやっぱりお母さんのそばにまとわりついて、家事は子どものペースで振り回されがち。この頃でもまだ専用の子ども部屋は不要の家庭も多いはず。学童期は1年ごとに増えていく教科書類も半端じゃない…
子どもが巣立ったと思ったら、今度は自分達や自分の親の老いという現実ものしかかってきます。住まいにおいては、予防としてのバリアフリー化や介護の必要性からの住宅改修が必要になる可能性は大きくなってきます。在宅で介護をしている家庭も少なくなく、そうすると日常的にヘルパーさんなど家族以外の外部の人の出入が発生します。