開発の大きな流れ
自分の役割が終わったら後はバカンス……というわけには、なかなかいかないのかもしれません。(イラスト 橋本モチチ)
プロデューサー 寺澤:最初は1人で始まって、ゲームをプレゼンテーションする為の映像を作るところまでは、有志の2、3人でやってます。他の仕事を抱えながら、業務時間外にやってるとか。経営会議で通ってから、最初の4ヶ月ぐらいで評価版という、ゲームの内容が分かるものを作るステップがあるんですが、そこまでが多分10人かからないでやって、その後、段階を追って増えて、15人になって、20人になって、最終的には30人ぐらいまでじゃないですかね。社内の人間が15人で、その他は外部の方という感じです。
ガイド:一番長く仕事をしてるのはどういった役割の人でしょう?
プロデューサー 寺澤:プランナーですね。プランナーは最初から最後まで。あと、プログラマーも作業は最後までですね。最後の最後はプログラマーだけですね、デバッグで直すのはプログラマーなので。
ガイド:デバッグというのは、テストプレイを繰り返してバグなどを発見、修正する作業ですね。この段階になると普通に考えたらグラフィッカーさんは仕事がなくなりますよね。
プロデューサー 寺澤:そうですね。その後は、他のプロジェクトに回るか、デバッグをするか。開発者としては、デバッグしてもらった方がいいんですけどね、クオリティがあがるので。自分で実機で見て、気になったところをアップデートできるから、グラフィッカーがデバッグに加わると、細かいところのクオリティはかなり上がります。バグと言えなくても、デザイナーとしてああしたい、こうしたいっていうのはありますから。それで最終的なクオリティが全然違ってきますね。
この時、プランナーもブラッシュアップをして、セリフ回しを直したりもしてるし、デバッグしてる場合もあります。さっきのグラフィッカーと同じで、デバッグして気になったところを直したりもします。
ガイド:デバッグの作業の中に、バグを取るという部分と、クオリティをあげていくという両方の意味が含まれているんですね。これで、マスターアップ、ゲームデータができあがるのはいつのタイミングになるんでしょうか。
プロデューサー 寺澤:ソニープラットフォームの場合、ソニーさんの承認が発売の1ヶ月前というのが通常のスケジュールです。なので、最終的なマスターデータは更にその少し前ということになります。
ガイド:はい、ありがとうございました。開発前の企画段階からはじまって、それぞれのクリエイターの方々のお仕事や、全体の流れがよくわかりました。最後に、ダンガンロンパをやられるユーザーの方にメッセージがあれば。
プロデューサー 寺澤:色んなチャレンジをしているタイトルなので、万人受けするものだとは僕らも全然思ってないんだけど、色んな要素があるなかで、1つでも2つでも気になるところがあったら、是非1回やってもらいたいなと。そうして、それ以外の要素の中でまた1つ2つ好きになってもらって……、結果このタイトルを好きになってもらえると本当に嬉しいなと思います。
ガイド:本日は、ありがとうございました。
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