ふたりで学ぶマネー術/ふたりで学ぶマネー術

共働き夫婦、介護費用は、どう備える?

相談にいらっしゃるお客様から、ライフプランについて希望や不安に思っていることなどを伺っていると、介護に関するものがよく挙げられます。ご両親の介護や自分達の介護にどれくらい費用がかかるのか、気になるところですね。そこで、今回は介護費用と備え方について解説します。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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公的介護保険って、どんなしくみ?

【今回の記事のインデックス】
介護保険制度とは?……1P
公的介護保険だけで、賄える?…2P
介護にかかる費用、安心なお金は3,500万円!?……3P

ガイド平野のところに相談に来る共働きのご夫婦の中には、介護費用について心配される方が多くいらっしゃいます。介護費用には、大きく分けて2種類あります。1つ目は、ご自分達の介護費用、2つ目はお互いの両親の介護費用です。順番からすると、両親の介護が先に来るので、やはり両親の介護について気にする方が多いようです。

この記事を読んで下さっている皆さんの中にも、今はまだ両親が元気だけれど、将来介護状態になったらいくら費用がかかるのか、それに対して自分達はどれくらい助けることができるのか、漠然とした不安を抱えている、という方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 

介護保険制度とは?

公的な介護保険制度は、介護が必要な人を社会全体で支援しよう、ということで2000年4月から始まりました。40歳以上の人が被保険者として保険料を納め、介護を必要としている人が介護保険サービスを受けられるようにしたもので、市町村が運営しています。

被保険者は、第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40歳以上64歳以下)に分けられています。65歳以上の人(第1号被保険者)であれば、原因に関わらず介護が必要な状態と認定されたら、介護保険サービスを利用することができます。けれども、40歳以上64歳以下(第2号被保険者)の人は、所定の原因によらないと介護保険サービスを利用することはできません。いずれにしても、介護保険サービスを利用できると認定された場合は、その度合いに応じた範囲内で、自己負担1割で利用することができる、というものです。

介護保険サービスを受けるための認定基準は、全部で7段階あります。介護が必要とされる場合は、その状態に応じて「要介護1~5」、要介護状態とまではいかないけれども、入浴や歩行などに多少の支援が必要、という場合は「要支援1~2」が認定されます(数字が大きいほど、重い状態)。

段階ごとに受けられる在宅サービスの目安は、次のとおりです。
図表1

生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」をもとにガイド平野泰嗣が表作成(クリックすると拡大表示されます)


例えば、要介護2と認定された場合は、1ヶ月あたり19万4,800円まで訪問看護や訪問介護などを組み合わせて受けることができ、自己負担額は1万9,480円となります(受けられるサービス内容は、ケアマネージャーさんと相談して作成したケアプランをもとに決められます)。

>>公的介護保険だけで、賄える?
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