福祉番組という枠を打ち壊したい
「ETVワイド ともに生きる~笑っていいかも!?」での1シーン。<SHOW-1グランプリ> (C)NHK
日比野 ドキュメンタリーを作ってきたスタッフが、バラエティーに挑戦するのはまったく初めてで、どう面白く見せるか、毎回苦労の連続でした。ただ、ドキュメンタリーの経験は貴重で、ディレクターたちには物事の本質を見極めようという姿勢が備わっています。だから、単に面白いだけではなく、その先にあるバリアフリーについても障害者を交えて議論します。そのためこれまでの企画会議には、膨大なアイデアが出されましたが、採用されるのはその中のごく一部です。
達成感については、正直まだまだ走っている真っ最中という感じで、成し遂げたという余韻にひたってる状態ではないですね。
---12月4日に放送される特番の内容、見どころについて、詳しくお聞かせください。
日比野 まず、人気放送作家・鈴木おさむさんとバリバラの障害者がタッグを組んで「日本初の障害者によるドッキリ」を企画しました。また、障害者同士によるかつてない肉弾戦(?)が展開される「バリバラ大運動会」も大注目です。スタジオでは漫才・コントなどを障害者が披露する「お笑いパフォーマー決定戦!SHOW-1グランプリ」を開催。バラエティーはバリアフリーにつながるのかも、徹底討論します。
---今後の「バリバラ」についてはどんな展望をお持ちでしょうか?
日比野 福祉番組というと、どうしても閉じ込められた枠の印象がぬぐえません。それを打ち壊すべく、誰が見ても面白いバラエティー番組のレベルまで引き上げたいですね。さらに、イギリスのBBCと連携して、海外展開も図る予定。最終的な目標は、障害者がNHKの一般番組(情報・ドラマなど)や民放のバラエティーに普通に出演できるようになることです。