介護/介護の基礎知識・原因となる病気・怪我

【取材レポート】認知症を学ぶ会で家族と医師が連携

「親が認知症かもしれない。でも、かかりつけの医師は「年相応の状態」などと言って、取り合ってくれない……。こんなとき、家族としては不安が募り、誰かに相談したくなったりするものです。今回は、認知症の患者、家族、医療関係者などが共に情報を共有し合うことを目的に活動を続けている認知症を学ぶ会と、2011年11月23日、京都で行われたセミナーの模様などをまとめてご紹介します。

横井 孝治

執筆者:横井 孝治

介護・販促プロモーションガイド

ガイド自身が、
認知症に正面から向き合う医師不足を痛感

認知症」という言葉は毎日のようにメディアで報じられています。でも、認知症がどんな病気で、予防や治療のためにはどんなことをすればよいのかを知っている人は、まだまだ少ないのではないでしょうか?

ガイドである私の父も認知症だったのですが、認知症対応のグループホームに入居している際にお世話になっていた内科医が、「薬の副作用で元気が無くなってきているから、○○という薬の投与を止めよう」と言って、投薬を中止。その次の日から、暴言や暴力、夜間せん妄など、激しい症状が現れるようになってしまいました。グループホームの職員と私が「もう一度投薬を再開してほしい」と医師に頼んでも、「それぐらい元気があったほうがよい。あとは職員と家族が頑張って面倒を見てくれ」などと言って、取り合ってくれませんでした。

その後、父を特別養護老人ホームに転居させることになり、認知症の治療をしてくれる精神科医を探すことになったのですが、電話をかける先、かける先、受診すること自体を次々と断られることに。「認知症は手間がかかるから診察したくない」「認知症のことは、よくわからない」「ホームページで『認知症対応』と書いているのは、○○病院との付き合い上で書いているだけだ」など、耳を疑うような言葉をいっぱい聞きました。結局、数十件目にようやく父を診てくれる精神科に巡り会えたのですが、その医師曰く「認知症に対して正しく診察して、正しい処方を行える医師は少ない。家族の悩みを減らそうとする医師は、もっと少ない」とのこと。私も「確かに」と、うなずかざるを得ませんでした。

新しい精神科が○○という薬の投薬を再開したことで、父の暴言・暴行も激減。半年以上にわたる父の大暴れに困らされていた私としては、認知症の診察や治療、家族の悩み軽減に取り組む医師が増えることを願ってやみません。

次のページでは、「認知症を学ぶ会」をご紹介します。
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます