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蝶ネクタイが制服?廃棄物処理の常識を覆した会社(3)(3ページ目)

2回に渡って「株式会社真田ジャパン」の五月女明社長の話をお伝えしてきたが、今回はいよいよ制服の話。蝶ネクタイ?とあるように、このミスマッチが真田ジャパンの特徴の1つでもある。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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人ありきの商売 

1800万円の経常利益を出したときに、3年後にこれを上回ったら臨時ボーナスを出そうという話になった。もし超えることができなければ、ボーナスを返すという約束で。結果、3年後に経常利益が1800万円を超え、臨時ボーナスを出すことになった。そのときに、美津江氏が社長に言ったことは「せめて1年前まで働いてくれた人にもボーナスを出そう」ということだった。

途中で辞めていったけれど、頑張ってくれた方たち。約束は約束だと。ボーナスを受け取りに来てくれた人の中には、もう1回この会社に戻りたいと言ってくれた人もいて、その方は今も社員さんとして働いている。

真田ジャパンの商売は、人なくしては成り立たない。それを社長自身が実感し、実践しているのだ。だからこそ「人の幸福」を経営理念として掲げ、常に自分に問うのだろう。「これはみんなの幸福につながるのだろうか」と。

自分は能力がない。ただ社員さんに恵まれただけなんです 

社長が一番重要だと思っていることは?と尋ねると、「はい」という返事と「ありがとう」という感謝の気持ちだと答えてくれた。五月女社長は、毎朝社員を迎えるという。それは、社長は1日に1回は社員に頭を下げるべきだと考えているからだ。社長がやらないことは社員もやらない。だったら、まずは社長である自分が頭を下げようと。

五月女社長は、朝社員を迎えるときに頭を下げ、それ以降はトップとして組織を率いる者となる。

最後、五月女社長はこんな話をしてくれた。
叱るときでも、腹のそこから叱らないと伝わりません。私は、気持ちが小さくて能力がないから、ここまで徹底して、覚悟していかないといけない。でも、世の中には、私のようなことをしなくても業績をどんどん上げていく社長さんもたくさんいます。能力が高いんですよね。でも私は能力がない。自分でよくわかるんです。

でも、それを理解して、そう言えるトップはなかなかいませんよね?

私が本当に能力が高い人間だったら、何もしませんよ。戦略を立てて指示するだけです。でもそれができない。だからこそ強い思いは持っています。それは誰にも負けませんね。

そういう社長だから、社員もついてくるのでは?

社員さんは、私が見ていないところでも真面目に、私が伝えていることをしっかり守って仕事をしてくれています。一歩外に出ればいくらでも怠けることはできるのですが、それをしません。じゃないと、市民の方から手紙をいただくといいうことはないと思います。私は素晴らしい社員さんに恵まれた。ただ、それだけなんだと思いますね。


株式会社真田ジャパン。この会社は社長をはじめとして社員全員に支えられている。「人の幸福」という理念を胸に働く人たちは、みな明るく楽しそうだった。きっと明日も明後日も、彼らは元気にはつらつとしてお客様を迎えるのだろう。誇るべき会社である。


【バックナンバー】
五月女社長のバックグランドはこちら
蝶ネクタイが制服?廃棄物処理の常識を覆した会社(1)

「人の幸福」が理念。その理由は?
蝶ネクタイが制服?廃棄物処理の常識を覆した会社(2)

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