先日の(2010年)11月3日に、1日限定で築83年の横浜市長公舎(西区)が初めて一般公開されましたので、散歩がてら見に行ってきました。当日は好天に恵まれ、(MSN産経ニュースの報道によれば)約1,800人が訪れたようです。
建物の外観は、当時に帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトのデザインにならった「ライト式」で、水平の強調や壁面の出入り、スクラッチタイルによるテクスチャーなどに特徴があるのだとか。現存する洋館を設計したのは横浜市建築課で、中村鎮式鉄筋コンクリート造2階建ての構造。昭和2年(1927年)5月に竣工しているとのことです。
今回の初公開は、9月から行なわれていた「INVITATION to OPEN YOKOHAMA 2010」の最終日イベントとして実施されましたが、現職の林市長が暮らしていないために実現したものかもしれません。すぐ隣のマンションにお住まいだという紳士も、「いつも上から見ているところに初めて足を踏み入れた」と記念写真を撮っていました。
市長公舎には木造平屋の日本家屋もあったのだそうですが、老朽のため昭和63年(1988年)に取り壊され、集会室(ホール)に建て替えられたとのこと。古い木造建築が現存していないのは残念ですが…。その集会室では12時から「都市の記憶・これからの横浜」と題したショートレクチャー&ディスカッション、スライドショーが行なわれていました。
事前の案内では定員60名だったのが、途中で出入りした人や関係者らしき人を含めて約150名が集まり、みんな熱心に聞いていました
横浜市では歴史的建造物の保存に力を入れていますが、これからは一般の住宅も長寿命化が図られ、22世紀まで残る住まいが多くなっていくことを願いたいものです。
旧玄関の内側から外をみたところ。雰囲気に合わせて白黒にしてみました