3DSは巻き返しではなく、引継ぎ
巻き返しをはかるというよりは、いい状態で完走したDSからバトンタッチするというイメージでしょう。
それから、3DSで巻き返し、というのもよく言われることなんですが変な表現ですね。おそらくは、不振という言葉にくっついて出てきてると思われます。DSは最後の大作ポケットモンスター ブラック・ホワイト(以下ポケモンBW)を日本で発売し、あっという間に約400万本を売り上げました。据え置きも含めた日本ゲーム市場における2010年の最大ヒットはこのポケモンBWとなるでしょう。これが今後世界中で大ヒットし、有終の美を飾ることが予想されます。
また、ライバルであるPSPはまだ次世代機の発表が無いという状況です。というと、不振で巻き返しなんてとんでもない話で、圧倒的な携帯ゲーム機市場への支配力を持つDSのビジネスを、3DSへうまく引き継げるか、というのがポイントになります。
ゲームビジネスの前年度比はあまり意味が無い
ポケモンBWのような大型タイトルがいつ発売されるかということによって、瞬間的な数字は大きく変わってしまいます。
また、いわゆるキラータイトルと呼ばれるような大型タイトルがいつ発売されるかというのも大変重要で、今回で言えば、ポケモンBWが海外ではまだ未発売であるというところがハードの売り上げにもソフトの売り上げにも大きく影響しています。
つまり、瞬間的に観測した数字は事実としてあるものの、その意味は大きな流れの中で考えていかなければいけない、ということです。それは当たり前のようで難しく、時に誤解を生むこともあります。しかし、ちょっと変な話ですが、ある意味こういう誤解が起こってしまうというのは、ゲーム業界にとって良い兆しでもあるんです。