難関大学といえども、再編の渦に
国立大学が独立行政法人化されてから、大学再編の波が全国で徐々に押し寄せている。特に地方の大学での再編計画が多くなっている。主要なところでは以下の通り。* 長崎シーボルト大学+長崎県立大学…長崎県立大学(2008年)
* 大阪大+大阪外語大…大阪大(2007年)
* 東京都立大学+都立科学技術大学+都立短期大学+都立保健科学大学…首都大学東京(2005年)
* 富山大学+富山医科薬科大学+高岡短大…富山大(2005年)
* 東京商船大学+東京水産大学 … 東京海洋大学(2003年)
* 福井大学+福井医科大学…福井大(2003年)
* 神戸大学 + 神戸商船大学 … 神戸大学(2003年)
* 九州大学 + 九州芸術工科大学 … 九州大学(2003年)
* 島根大学+島根医科大学…島根大(2003年)
* 香川大学+香川医科大学…香川大(2003年)
* 高知大学+高知医科大学…高知大(2003年)
* 佐賀大学+佐賀医科大学…佐賀大(2003年)
* 大分大学+大分医科大学…大分大(2003年)
* 宮崎大学+宮崎医科大学…宮崎大(2003年)
もちろんこのような大学再編は当初からの文部科学省の方針であった。もともと行政のスリム化を目標にして始まった大学の法人化は、新たな局面を迎えている。18歳人口の減少を受けて、今後も検討中の大学も含めるとまだまだ再編が行われていくだろう。
将来を見据えた選択を
単に難関大学だから選ぶという時代は終焉したといっていい。当然ながら自分にあった大学選びをするべきだろう。大学を決める基準はなんだろう。就職率、ブランド力、研究実績など様々だ。指導する立場からでは受験生にここを受験しなさいとは言えない。しかし、意外と第一印象やイメージに動かされている人が多いのではないだろうか。悩んでいる受験生に質問するのは常に一つ。「あなたが求めているのは中身ですか。それとも名前ですか」。ブランドという名前を求めてもまったく問題ないだろう。もし、中身を基準にするなら選択肢はもっとひろがるはずだ。
受験生にとって2009年の金融不況が世界的に起こったことが、もう一度大学進学をまじめに考えるよい機会になっているようだ。一流の企業だからといって、終身雇用が安定する時代はとうに過ぎ去った。難関大に入ったから一生が安定するわけでもない。結局は個人のレベルで自分の中身をどう鍛えているかが問われる時代ではないだろうか。大学のブランド力にあぐらをかかずに、真摯に大学改革を実行する大学が評価されるようになって行かざるをえないだろう。やはり、自分らしい大学選択の基準が求められるのだ。
国立難関大学受験制度 〉〉