NISSAN(日産)/日産の車種情報・試乗レビュー

セレナらしさを突き詰めた新型セレナ(2ページ目)

5年ぶりにセレナがフルモデルチェンジを果たした。4代目は先代からの正常進化であることが伺えるが、アイドリングストップなど、時代の要請に即した新機構を意欲的に搭載している。燃費も欲張った新型セレナはライバルを圧倒できるか!?

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

室内長のアドバンテージを確保

インパネ

インテリアで目を惹くのが、マルチグラフィックアッパーメーターと呼ぶメーターの形状で、エコドライブ度の分かるグラフィックスを含めて先進性を身に付けている。開放感のある運転視界も先代同様の美点だろう

5ナンバーサイズ系のセレナだけあって、サイズアップはもちろん、室内サイズの拡大にも限界に来ているのは間違いない。室内長は300mmアップしたが、届け出値上の数値であることも差し引いて考えておきたい。室内高の25mmアップは、ほぼ全高が高くなった分だが、室内幅の10mm拡大という数値からも分かるように、このクラスのミニバンではこれ以上、車内を広くするのは限界があるようだ。

そうはいってもクラス最長の室内長は、2-3列目に座ってみるとよく実感できる。乗降性のよさは先代とほとんど変わっていない。2-3列目の足元、ヘッドルームともに十分納得できるサイズを確保している。そして、新型セレナで好感を持てるのは、サードシートをキチンと座れるシートにしていること。中央席のシートベルトが2点式のままなのは残念だが、サードシートはクッションも背もたれともに厚みがあり、背もたれの天地が少し短いままである以外はよくできている。

なお、サードシートの収納方法は従来と同様に跳ね上げ式を採用するが、スプリングのアシストを借りることで、跳ね上げに要する力を抑えているし、慣れれば片手で操作できる。また、跳ね上げ位置を従来よりも175mm下げることで、後方視界の確保と外からの見栄えの悪さを払拭している。

堅調なセールスを狙う

ラゲッジ

新型セレナも跳ね上げ式を採用。跳ね上げ位置を下げることで、操作性と後方視界の両立を図っている。また、ラゲッジフロアには大容量のサブトランクを備えている。跳ね上げ位置を下げることで、荷室幅が狭くなった気がしたが、26インチの自転車を4台積めるなど、横方向に大きな犠牲は出ていないようだ

07年~09年までミニバンナンバー1のセールスを誇ったセレナは、モデル末期になっても堅調なセールスを保ってきた。国内販売では間違いなく日産の屋台骨を支えてきたミニバンだ。新型が時代に即した正常進化を果たしたのは必然。価格的にはライバルよりも10万円程度高く感じるが、アイドリングストップをはじめ、装備の充実度で勝っているのは後発なだけによくて当然だろう。あとは、従来型セレナからの乗り替えや他メーカーのお客さんを取れるかは不透明だが、このクラスのミニバンを検討する際にははずせないのは間違いない。アイドリングストップを含めて走りの実力は近いうちに報告したい。

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