よくある本棚の荷重はOK?
よく見かける背の高い本棚ですが、そのサイズを幅90cm×高さ180cm×奥行き30cmとして、それを部屋に置いたら荷重はどうなのか検証してみましょう。45冊/段×6段=270冊
270冊×250g/冊=67,500g
67.5kg÷0.27平米=250kg/平米 > 180kg/平米
残念ながら荷重オーバー。家庭では普通にこういった本棚を使っていますが、そこに本を詰め込むと床には相当な負荷がかかることになります。これまであまり気にしていなかったと思いますが、本はことのほか重いものなのです。本を所有するというのは、住まい本体にとってリスキーなことだとおわかり頂けたでしょうか?
ここまでの計算は、本棚を置いた直下の床だけにかかる荷重をみてきましたので、荷重オーバーという結果になっていました。実際の生活においては、本棚で床を埋め尽くすわけではありません。本をとるために人が立ったり通ったりするスペースが必要ですから、本棚とその前にはスペースに余裕があるものです。
そこで次に、もう少し現実に近い結果をご紹介します。
ここに注意すれば大丈夫
1平米の床には本と本棚と人ひとりが定員です
今度は、人の体重と本棚の重さも考慮します。仮に体重70kg、本棚が30kgとすると、180kgから差し引きした残り80kg分が本の重さです。
80,000g÷250g=320冊
幅100cmの本棚には1列50冊が並び、棚板は6段で180cmの高さになります。そして本棚の手前70cmの範囲には、家具などを置かない空きスペースとすればいいのです。
でも実際のところ本棚の傍には机、椅子、ベッド、ソファなどの家具を置きたくなるもの。そうなると、部屋全体で床の積載荷重を考える必要がでてきます。
その際の計算式は以下のとおりです。
(部屋にある家具・荷物の総重量+人の体重×人数)kg ÷ 部屋の面積 平米 =○○kg/平米 < 180kg/平米
であれば、計算上は大丈夫ということになります。では最後に、部屋に本棚を置く際のポイントをご紹介します。
部屋全体にバランスよく配置
寝室など眠る場所の傍に背の高い本棚を置かないというのは、既にご存じの通り地震を考えてのことです。さらに、床の仕上げがカーペットの部屋にある本棚は、時間の経過と共にカーペットが沈んでいきます。天井との間に転倒防止のパーツをつけている場合は、できた隙間をなくすよう調整し直しましょう。さらに本棚の棚板にも本の重さがかかります。もし棚板がたわんでいるようなら本を載せすぎです。棚板の強度にもよりますが、棚板の幅が60cm程度の本棚を選ぶようにすることをオススメします。幅が広い方がいっぱい収まるから、という理由だけで選ばないようにしましょう。