日本に比べて頻繁に起こるフランスのスト
最も頻繁にストが起こる国鉄SNCF
ただ国鉄SNCFのストはかなり頻繁に行われており(約1~2ヶ月に1回の頻度で3~5割減行)、パリと地方、また地方同士を結ぶ鉄道は全てSNCFによる運行なので、ストの時期にフランスに来る人の足に影響が出ます。 パリのメトロやバスを運営する交通公団RATPも、SNCFほどではないにしろ数ヶ月に1回はストがあり、その際も3~5割が減行。その他の機関のストに関しては、数年に1回という感覚です。ここでいう1回とは基本的に1日ですが、2010年の年金法改正や2006年の初期雇用契約(CPE)といったような政府決定案に反対する大規模な動きがある場合は、状況により1週間から1、2ヶ月にわたり続く場合もあります。
最低限のサービスは保証
一方で、ストに対する対応が少しずつ改善されているのも事実。2008年にサービス・ミニマム制度が導入されたことにより、最低限のサービス・交通(約5割)は確保されるようになり、SNCF、RATPなどの交通機関を含め全く機能しなくなるということがなくなりました。交通以外でも、全面的な閉鎖はなく部分的に運行されており、例えば国立美術館員のストでは、オルセーは閉館していましたが、ルーブルの一部入口は開くといった対応がされています。ストによる完全な閉館は基本的に1日で、数日続くということは今までのところありません。
情報収集が鍵
国立美術館でも稀にストが起こる
空港やSNCF、RATPなど旅程の要となる交通機関のスト情報は、各サイトのトップページに表示されるので、利用する前に確認しておくといいでしょう。日本でもニュースになるような大規模のストとなると労働組合CGTのホームページや、現地のニュースで最新情報を得ることができます。なお、在仏日本大使館や外務省のHPでも概要的な情報を随時更新しています。
ストへの対応も準備しておこう
事前にストがある情報を得た場合、まずはその会社や機関に直接問い合わせるのが最も確実。国鉄SNCFならば、前日に翌日の運行スケジュールが決まるので、自分が乗る予定の電車が予定通り運行するのか、しない場合の振り替えや払い戻しも対応してもらえます。予定を大幅に変更する可能性を考え、あらかじめ複数の移動ルートを考えておくことも必要です。■スト関連の情報が得られるサイト
- 在フランス日本大使館……フランスでのスト、デモや危険地域の情報など
- 外務省・海外安全ホームページ……フランスでのスト、デモ情報のほかスリなどの犯罪手口の情報など
- 労働組合CGTのサイト……デモ行進の日時や場所などの情報
- 国鉄SNCF、路線情報……パリー地方、地方間のTGV、パリ郊外線RER・Trensillien、地方のローカル線TERの運行情報
- パリ交通公団RATP……パリ市内のメトロ、バス、トラムの運行情報
- パリ空港ADP……シャルル・ド・ゴール空港(別名CDG、ロワッシー)、オルリー空港の発着状況
- 国立美術館rmn……ルーブル美術館やオルーセ美術館、オランジュリー美術館などの国立美術館
- 郵便局La Poste……郵便物送付、国際送金のサービス