生口島に渡ろう
「てっぱん」にも登場した尾道の港(あかりのおばあちゃんがトランペットを海に捨てた場所)から船に乗って1時間ほどの生口島にも渡ってみましょう。昔、大人気だった人形劇ドラマ「ひょっこりひょうたん島」のモデルになった島とも言われるひょうたん型の小島です。先年お亡くなりになった平山郁夫画伯の出身地としても有名です。生家がまだ残っており、平山郁夫美術館もあります。温暖な気候のため、レモンやみかんなど、かんきつ類の産地でもあります。
意外なところに国宝あり
お寺の見所は、まず向上寺。こんなところに本当に?と疑いながらやぶの中の道を登っていくと、見事な国宝の三重塔があります。室町時代の代表的な建造物で、彫刻など、他には見られない特徴があります。究極のなんちゃって寺
しかし、なんと言ってもこの島最大の見所は、「究極のなんちゃって寺」とも呼ばれる(と呼んでいるのはわたしだけ?)耕三寺です。大阪で成功した大金持ちの実業家が昭和10年から建て始めた寺で、著名な神社仏閣の建物をモティーフにした数々の華麗なる建造物が見ものです。日光東照宮の陽明門を模した孝養門、宇治平等院の鳳凰堂を模した本堂など、どれもが、本物よりもはるかに装飾が多く、派手ったらありません。しかし、金にいとめをつけずに造られたもので、優れた建築家や職人さんの作品でもあるため、決してちゃちではなく、すべてが一級の芸術品となっています。
買い集められた古今の美術品も侮れません。仏像も、かつて興福寺にあったものなどがさりげなく祀られていたりして、いちいち驚きます。人間、お金と志さえあれば、ここまで立派なものを作り上げられるんだなぁ。
真っ白な「未来心の丘」
1200円と、決して安くはない拝観料ですが、それだけの値打ちは十分。尾道に行ったら、ぜひここにも足を伸ばしてみてください。
●耕三寺のホームページ