なかなか売れないときに、そのままジッと待っていても解決しない!
ところが実際には「なかなか売れない」「買主が一向にみつからない」「家を見に来る人がとても少ない」「見に来た人が誰も真剣に検討してくれない」といったことも起こります。
このようなときにはその原因を突き止めて、早めに対処をすることが欠かせません。今回は、なかなか売れないとき、あるいは市場の反応が鈍いときにチェックするべきポイントについて考えてみることにしましょう。
中古住宅の価格相場に変化はないか?
初めに売り出し価格を決めたとき、不動産業者による査定を受けたうえで周辺の市場動向などについても説明されたことでしょう。しかし、それからの時間経過により価格相場が変化している場合もあります。とくに地価や中古市場価格相場の下落局面では注意しなければなりません。また、周辺の類似物件が何らかの事情で相場よりも安く売られたときに、それが「取引事例」となって影響を受けるケースもあります。
周辺の取引事例が豊富であれば、一つだけの安値による事例の影響はあまり受けませんが、ほんの少しの取引事例しかないエリアに安値(特殊要因の存在が認識されない程度に安値)のデータが加われば、それに足を引っ張られることもあるでしょう。
とくに、同じ中古マンションで別の部屋が安く売り出されたときには、その影響を受けやすくなりがちです。
いずれにしても、売り出し価格と市場のニーズにズレが生じてしまった場合には、価格の見直しや、事情によっては売却自体を見合わせることも考えなければなりません。
売り出し価格の上乗せは妥当か?
売却の契約が決まる前の段階で、購入希望者から「指し値(さしね)」といわれる値引き交渉がされるケースも少なくありません。そのためこの指し値幅をあらかじめ見込んで、査定価格にある程度の上乗せをした額で売り出すこともあります。この価格の上乗せは、売主自ら希望する場合だけでなく、売却を依頼された不動産業者のほうから提案をしてくる場合もあるでしょう。
ところが、この売り出し価格の上乗せによって割高なイメージを与えてしまい、購入希望者の反応が鈍くなったり、場合によってはまったく見向きもされなくなったりすることもあります。
契約に向けた動きがなかなか出てこないようであれば、この上乗せ価格が適切なのかどうかをよく検討して、売り出し価格の引き下げも考えることが必要です。
また、中古住宅市場全体の傾向をみると、買主による指し値が広く行なわれる時期と、指し値がほとんどなく売り出し価格そのままで契約が成立することの多い時期が、数年おきに交互にやってくるようです。
「指し値がない時期」に空気を読まないで売り出し価格の上乗せをすれば、購入希望者を遠ざけるだけのことにもなりかねません。
購入希望者のテンションを下げる要因はないか?
購入希望者が物件を見に来たとき、家の外観や玄関を入った瞬間の第一印象が「暗い」「汚い」「湿っぽい」だったり、部屋の内部が「想像したより狭い」「使いづらそう」だったりすれば、なかなか購入意欲には結びつきません。≪家の売却~少しでも有利に売る方法 その1≫ などでも説明しましたが、購入希望者が見に来たときには、できるかぎり「すっきり、広く、明るく、きれいに」見せることが大切です。
「これくらいの準備をしておけば大丈夫だろう」と安心をする前にもう一度、なるべく第三者の客観的な視点を意識しながら「購入希望者のテンションを下げる要因はないのかどうか」を観察してみましょう。
思ったことや感じたことをはっきり言ってくれるタイプの友人などに、一般消費者の目で見てもらうことも有効です。
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