ローコスト住宅の生みの親はミサワホームだった?
そうした常識を覆したのが、ミサワホームが2001年7月に発売した「リミテッド25」でした。3.3平方メートルあたり25万円台からという価格設定、しかもそれを大手ハウスメーカーが販売するというインパクトから大きな反響があったことを、ご記憶されている方も多いと思います。500棟限定の「ジャストスマート」。DINKSや子ども一人家族などのニーズを反映。建物規模を抑えるなどし価格を抑えている(写真は静岡県焼津市の分譲地に建つモデルハウス)
現在のミサワホームでは「リミテッド25」の販売を終了し、「25万円台から」という極端なローコスト商品の販売は行わなくなりました。ただ、住宅価格の値頃感を追求するという企業姿勢は、脈々と生き続けています。
まず、現在の商品ラインアップの一つである「スマートスタイル」シリーズがその代表例。1棟あたり2000万円を切る価格帯でありながら、「蔵」や「ECO・微気候デザイン」などといったミサワホームならではの住まいづくりのノウハウが注入されています。
値頃感がありながら高い完成度の企画型住宅
直近のトピックスの一つである「ジャストスマート」は、20代後半から30代の「ポスト団塊ジュニア世代」を対象にした商品。DINKSや子どもが1人の世帯などのニーズを反映し、建物規模を68平方メートル(21坪)~97平方メートル(30坪)に抑え、500棟限定とすることなどで、建築価格を抑えています。ミサワホームは環境に優しい住まいづくりにも熱心。ECO・微気候デザインという独自の設計手法により、通風や採光を考慮することで、省エネや経済性に優れた住宅提案を行っている
住宅というのは要するに「箱」なのであり、その箱をうまく活用するという発想も、住宅づくりにはまた必要なことです。ミサワホームは企画型の完成度が非常に高いハウスメーカー。「信頼できるハウスメーカーで手ごろな価格で住宅を取得したい」という方にとっては検討に値すると思います。
ところで、ミサワホームはバブル期以降の一時期、経営不安に陥っていましたが、現在ではそれもほぼ解消。トヨタ自動車グループの支援を受けて、企業体質は健全化しています。