関節は建築でいえば緩衝帯(バッファゾーン)である
門から玄関へのアプローチがとび石や緑の演出でつくられていると、その空間により玄関までの心構えができます。また、玄関を入って上部の吹抜けはその家の大らかさを表したり、玄関から廊下ごしに見える坪庭や中庭などは家全体のたたずまいや、ゆったり感をみせてくれます。間取りを機能的に考えれば考えるほど、骨と骨を圧迫して緊張感をつくってしまうのと同じなのです。和風の家づくりはどことなくあいまいで、まどろむスペースがあります。洋風の家は目的のはっきりしたスペースが多く、まどろむスペースはあまりありません。敷地が狭いという建て主もいるでしょう。しかしそれは工夫次第でなんとかなるものです。大切なことは、建て主がそこをどう意識するかなのです。階段の踊り場からの借景 設計:(株)佐川旭建築研究所
和室の床の間からの借景 設計:(株)佐川旭建築研究所