住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのポイント

住宅の設計ではじめに考えること(2ページ目)

住まいをつくる上で1番大切なことは間取りをどうつくるかです。生活しやすいスッキリとした間取りをつくることも良いですが、そこに緩衝帯(バッファゾーン)を加えることでより生活が豊かになるのです。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

関節は建築でいえば緩衝帯(バッファゾーン)である

門から玄関へのアプローチがとび石や緑の演出でつくられていると、その空間により玄関までの心構えができます。また、玄関を入って上部の吹抜けはその家の大らかさを表したり、玄関から廊下ごしに見える坪庭や中庭などは家全体のたたずまいや、ゆったり感をみせてくれます。間取りを機能的に考えれば考えるほど、骨と骨を圧迫して緊張感をつくってしまうのと同じなのです。和風の家づくりはどことなくあいまいで、まどろむスペースがあります。洋風の家は目的のはっきりしたスペースが多く、まどろむスペースはあまりありません。敷地が狭いという建て主もいるでしょう。しかしそれは工夫次第でなんとかなるものです。大切なことは、建て主がそこをどう意識するかなのです。

階段の踊り場からの借景

階段の踊り場からの借景  設計:(株)佐川旭建築研究所
 


 
和室の床の間からの借景

和室の床の間からの借景  設計:(株)佐川旭建築研究所


ガイド佐川のワンポイントアドバイス

20世紀を代表する建築家に、フランク・ロイド・ライト(アメリカ)がいます。彼の考え方に有機的建築という言葉があります。「環境とよく調和のとれた住居の総合的な性質にとっての要素-敷地、建物、家具調度、採光、景色。そしてエアコンなどこれらすべて建物、それ自体の品性として建築構造の中に含まれている」と述べています。ややスケールの大きい話になってしまいましたが、基本は人間の五感にどう響く間取りや構造、材料を適切に使うかなのです。
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