ダブルインカム(共働き)をダブル退職金にするために正社員になる
ただし、ダブルインカム(共働き)をダブル退職金につなげるためには条件があります。それは「2人とも正社員で働く」ということです。
退職金制度(および企業年金制度)というのは、法律の義務ではなく、各企業ごとの任意で設けられています。このときほとんどの企業では、正社員のみを対象に退職金制度を設定しています。パートやアルバイトを相手に退職金制度を設定する企業はまれです。
また、自営業者や個人事業主の場合、退職金がもらえるかどうかは、自分次第です。もし将来仕事を辞めるとき、退職金を自分に支払いたいのであれば、小規模企業共済、個人型確定拠出年金等を使って自分で積立を行うしかありません。
つまりダブルインカム(共働き・共稼ぎ)であっても、すなわちダブル退職金とは限らないわけです。
共稼ぎの重要性を指摘するとき、「夫正社員500万円+妻パート100万円」でもいいので共働きをしましょう、と言ってきましたが、「ダブル退職金」が欲しいのであれば正社員同士の夫婦(職場は別でもかまわない)でなければなりません。
今正社員である人は、定年退職したときに退職金をもらえるチャンスを安易に手放さないようにしましょう(特に女性の場合、結婚退職より、育休して復職するほうがいいと思います)。
もし退職するなら、別の仕事で今以上稼ぐ覚悟と勝算が必要です。一時の気の迷いで、あてもないのに辞表をたたきつけるようなことはしてはいけません(勝負や交渉ごとはもっとうまくやりましょう!)。
今正社員でない人は、正社員になるチャンスを常に探る意識を持ちましょう。今働いているところでチャンスをうかがいつつ、別の会社でも正社員の求人があれば、どんどんチャレンジしてください。
「30歳や40歳から正社員になっても、どうせたいした退職金じゃないでしょう」と思うかもしれませんが、その「たいした退職金じゃない」金額でも日常生活の中で貯めることは大変なのです。
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共働き(ダブルインカム)が、毎日の生活にとって大きな意義をもつことは明らかになりました。さらに一歩踏み込んで、「ダブル退職金」が共働き世帯の老後資金準備にとって大きな助けとなるのは間違いありません。ぜひ、「ダブルインカム、ダブル退職金」を目指してみてください。