Groupon系サービスが人気の理由
共同購入というシステムは楽天やYahoo!ショッピングなど既存のネットモールでは古くから存在していて、決して新しいサービスではありません。では何故、こんなにも急激にサイトが増えるほどの人気となっているのでしょう? それには店舗側、ユーザー側それぞれに理由があります。ユーザーのメリット:圧倒的な割引率
ユーザー側にとってこのサービスの利点は、今までのクーポンではあり得なかった圧倒的な割引率です。それまでのクーポンといえば10%引きや幹事のみ2000円引きなどそれほど大幅な割引ではありませんでした。しかしGroupon系のサービスは40%引きは当たり前。なかには90%引きなどというものも存在します。
何故こんなにも圧倒的な割引ができるのでしょう。これは全てのGroupon系サービスがそうだというわけではありませんが、本家Grouponではクーポンの売上の50%を店舗側から徴収し、それ以外の宣伝料、サイト掲載料は一切取らないシステムになっています。
宣伝に関しては上述したようにユーザー自らが、Twitterなどのソーシャルメディアを使って行う。Grouponはそれによって宣伝費を抑えられるため店舗側から徴収しない。したがって店舗側はその分を割引に充てるというサイクルによって大幅な割引を実現しています。
日本のGroupon系のサービスも売上の配分はそれぞれ違うかもしれませんが、ほとんどがこのシステムを使うことによって圧倒的な割引クーポンの販売を行っているようです。
店舗のメリット:一定の販売数を超えなかった場合は、基本的に掲載料は必要ない
ネット上での共同購入はネットショップの商品を共同で購入するという形でした。しかしGroupon系サービスは基本的にリアル店舗の商品、サービスのクーポンを共同で購入するという形です。それまでリアル店舗がネット上で集客する場合、レストラン、ホテルなどジャンル別の情報サイトなどで掲載料を払った上でクーポンの配布を行っていました。
仮に誰もクーポン券を使わなくとも掲載料は支払うことになります。しかしGroupon系サービスであればあらかじめ設定した一定数量の販売がされなかった場合は支払いの義務が生じません。その上、ただでクーポン券を配布するのではなく、販売なので店舗側がこぞってこのシステムを利用するようになっています。
Groupon系サービスの問題点
ここまで見るとサービス側、店舗側、そしてユーザー。誰もが得をする仕組みとなっているようですが、もちろん問題点もあります。ユーザーの問題点:サービスの質の低下
わずか半年の間に一気に100以上のサービスがオープンしたため、掲載店舗の奪い合いなどによって全てのサイトで質の高いサービスを提供するのが難しくなっています。大幅な割引となっているものの、実際に店舗を訪れてみたら割引金額でも納得できない商品、サービス内容であったというトラブルが既に何件か起きているのも事実です。
本家のGrouponでは実際に満足いかなかった場合、クーポン利用後であっても返金に対応したり、クーポンには必ずGrouponの電話番号を記載し、トラブルが起きてもすぐに連絡をとれるようにするなどアフターサービスを徹底してこその人気となっています。
現状、全てのサイトでそれが成されているわけではないため、今後はサイトの閉鎖、統合などによる淘汰がおこることが予想されます。
店舗の問題点:リピーター確保が難しい
このサービスを利用する店舗側のメリットは、今までは来店されることがなかったであろう新規顧客を、確実にしかもスピーディーに獲得できるところにあります。しかし割引目当てで来店したユーザーが、次に正規の値段でも来店してくれるかどうかはわかりません。新規顧客をリピーターにしていくためには、店舗側のさらなる質の向上はもちろんのこと、サービス提供側のアフターサービスなども必要です。
Groupon系サービスの特徴の1つであるユーザーによる宣伝活動も店舗の商品、サービスが期待以上のものであるという前提があってこそ。サービス提供社ト、店舗、ユーザー全てが協力し合ったり、協力できるような仕組みを作ることが、このサービスの発展に最も重要な要素となるでしょう。