直島とともに行きたいアートの島
直島を中心に、近年、瀬戸内海全体がアートで盛り上がっています。そのなかでも、特に注目したいのが豊島と犬島。この2つの島を紹介します。豊島
人口約1000人、面積約15平方キロメートルの小島、豊島。産業廃棄物が不法投棄され社会問題にもなった豊島は、本来は自然の恵みに溢れる島。この豊島をアートの力を使って再生させようと、さまざまなプロジェクトが立ち上がっています。■豊島美術館
~棚田にうかぶ美術館 アートの力で盛り上げるプロジェクトが2007年からスタートした豊島。その活動の中心となるべく、豊島美術館が2010年10月に開館しました。
休耕田となっていた棚田を再生させ、その敷地の一角にそびえる美術館は、アーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛によるもの。白い遊歩道を歩き、水滴のような形をした美術館に入っていきます。建物には柱が一本もなく、天井の開口部から風や光、音が直接入ってくる不思議な館内には、時間、季節ごとに無限に変化する空間が広がっています。
靴をぬいでゆったりとくつろげるカフェでは、美術館周辺の休耕田を再生、栽培した豊島産のお米を使用した軽食や、豊島産のフルーツ(レモンが豊島の名産品です)を使用したドリンクなど、地場の食べ物がいただけます。ショップスペースでは、豊島美術館に関連した書籍やオリジナルグッズのほか、収穫時期には豊島産の食品も販売します。
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住所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
TEL:0879-68-3555
開館時間:10:00~17:00(11月~2月までは10:00~16:00)
休館日:火曜日(3月1日~11月30日)/火曜日から木曜日(12月1日~2月末日)
入場料:1,540円(15歳以下無料)
公式サイト
■クリスチャン・ボルタンスキー「心臓音のアーカイブ」
~世界中から集められた鼓動
豊島美術館からほど近い王子ケ浜の松林に、フランスを代表する現代美術アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーによる「心臓音のアーカイブ」があります。
世界中の人々の心臓音(心臓の音は指紋と同様、同じ音を出す人は一人も存在しないそうです)が集められた視聴室、自分たちの心臓音を収録できる録音室、そして心臓音を用いたインスタレーション(素材を使って「その場所そのもの」を作品化したもの)で構成された施設は、自分自身について、他者について、そして生と死について考える時間をもたらします。
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住所:香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃2801-1
TEL:0879-68-3555
開館時間:10:00~17:00(11月~2月までは10:00~16:00)
休館日:火曜日(3月1日~11月30日)/火曜日から木曜日(12月1日~2月末日)
入場料:510円(15歳以下無料)
公式サイト
次ページで、犬島を紹介します。