様々な薬があり、最近、新薬が出ています |
- 免疫に関わる白血球を抑えたり、増えないようにする薬:抗ガン剤など
- 白血球の活発にしたり、増やしたりする体内物質(サイトカイン)を抑える薬:免疫抑制剤
■抗ガン剤
免疫に関わる白血球を抑えたり、増えないようにする薬で、主に、膠原病で使用されます。膠原病に種類によっては使う薬も異なります。ガンに使用する量は少なく、副作用を抑えていますが、免疫を抑えるため、易感染と言って、感染症にかかりやすくなるのが問題です。
名称:MTX(リウマトレックス)、サラゾピリン(アザルフィジンEN)、金製剤(シオゾール 筋肉注射 オーラノフィン 内服)、アザチオプリン(イムラン)、D-ペニシラミン(メタルカプターゼ)、ブシラミン(リマチル)
副作用:肺、腎臓、肝臓、骨髄などへの影響があります
…膠原病の診断法と治療法 >>
関節リウマチの治療 >>
■免疫抑制剤薬
炎症を抑える薬の1つです。現在は、内服、外用薬があります。
免疫に重要な働きをするTリンパ球を抑制するので、免疫抑制薬(免疫調整薬(めんえきちょうせいやく))と言われています。Tリンパ球は、体の中でウイルスなどの感染への防御してくれます。しかし、防御が強く働くと、炎症を起こしてしまいます。アレルギーの病気や膠原病は炎症ですから、その炎症を引き起こす原因の1つがTリンパ球です。このTリンパ球を抑制する薬が免疫抑制剤で、移植などにも使用されます。
外用:プロトピック
内服:プログラフ、ネオーラル、サンデミューン
主な副作用
- 易感染性(「いかんせんせい」と呼びます。感染症を起こしやすくなります)
- 腎障害(じんしょうがい)
- 多毛(たもう)
- 免疫を抑制するために癌など発生しやすい など
■白血球の活発にしたり、増やしたりする体内物質(サイトカイン)を抑える薬
この薬は主に膠原病、特に関節リウマチに使用されます。関節リウマチで増えているサイトカインは、IL-6(インターロイキン6)とTNF-α(腫瘍壊死因子)です。TNF-αを抑える薬が、インフリキシマブ(レミケード)、エタネルセプト(エンブレム)、アダリムマド(ヒュミラ)です。IL-6を抑える薬がトシリズマブ(アクテムラ)です。
これらの薬は、関節の破壊を抑える効果が大きいのが特徴です。ただし、現時点でかなり高価な治療になっています。
SLEという病気では、B細胞が病気を悪化させていますので、B細胞の表面に出ているCD20という目印を壊す抗体 抗CD20抗体が有効であると報告されています。
…関節リウマチの治療 >>
上記の薬は基本的に免疫を抑えるものですので、体に侵入する病原体(ウイルス、細菌、寄生虫)に対する抵抗力まで抑えてしまう状態になります。病気を抑え、副作用を少なくするためには、薬の調節が必要です。必ず定期的に医療機関を受診するようにしましょう。
次に、主にアレルギーで使用される薬を紹介します
⇒抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬 >>