バリバリ稼ぐより、きちんと暮らしたい
食を中心に、とてもていねいな暮らしを営んでいる塩山さん。モノはたくさん持っているけれど、どれもよく手入れが行き届き、死蔵させているものはありません。そして、たいていのモノは自分で作れるから、ムダなお買い物もしない。
自作の布製コーヒーフィルター。使い捨ての紙フィルターは使わない
塩山 マヨネーズもネギ油も、調味料は自分で作ります。顔も体も髪の毛も、自分で作った石けん一個で済ませちゃいます。買うものがないから、コンビニにも行かないし、だから、実はお金があんまりかかりません。収入が不安定な自由業ですけど、そんなに不安はないですよ?
ガイド 塩山さんって、働き者ですね。
塩山 私、手を動かすのは大好きだけど、「忙しい」のは好きじゃないんです。忙しくなると、育てている植物も元気がなくなっていくし、人生から「暮らし」が抜け落ちていくような気がして。バリバリ、セカセカ働いて、お金をたくさん稼ぐより、「きちんと暮らしたい」と思って、こんな暮らしをしているんですね。
塩山さんのルーツは島根。ものづくり好きは、石見銀山のDNAのなせる業?
ピカピカのお肌とつやつやの髪、よく動く陽気な瞳が印象的な塩山さん。これも、毎日おいしいものを食べているからに違いありません。彼女のような人に会うたびに、シンプルライフって、モノがないことじゃなく、あるモノすべてをいつくしみ、大切にする暮らしなんだなぁ、「暮らすこと」を本当に楽しめる人にこそ、シンプルライフは可能なのかもしれない、と思うのでした。
塩山さんのライフスタイルを知る一冊
『日々、まめまめしく』