テクノポップ/アーティストインタヴュー

アーバンギャルドの証明(3ページ目)

只今絶倫、前髪ぱっつんの、ニュー・アルバム『少女の証明』をリリースするアーバンギャルドに松永天馬さん、浜崎容子さんにインタヴューです!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

前髪ぱっつんオペラ


ガイド:
「前髪ぱっつんオペラ」についてはいろいろ尋問したくなります。これはジャケのモチーフになっている曲みたいですが、前回のインタヴューの質問と回答を覚えてられますか?
 

ガイド:
些細なことですが、天馬さんの髪も伸びましたね。ツインヴォーカル、二人でパッツンみたいな。

松永:
パッツンというかどう見てもプッツンな人にしか見られません本当にありがとうございました。 (後略)

浜崎:
二人でパッツンやるなんて事になったら私間違いなく自殺しますね。


歌詞を見てみると・・・
プッツンしてるあの子のマイブーム
パッツン切るの前髪まっすぐに

これは質問した時点で、既に歌詞が出来上がっており、予告編のような回答だったのでしょうか?

松永:
恐らく同時期に制作していたものと思われます。予告編としてコメントしたつもりではなかったのですが、視界を塞ぐ前髪のように、意識下に意識されていたのかもしれませんね(こういったことはままあります。人生が死の予告編であるように)。 アーバンギャルドではしばしばファッションについて言及した曲を制作していますが(水玉病、セーラー服を脱がないで、リボン運動…)この作品も同じカテゴリーに属するでしょう。ファッションが自己表現というより自意識の表明であり、政治的な趣すら放つ時代です。何故前髪をまっすぐに切るのかと問われれば、世界を「視えるもの」と「視えないもの」に分断したいからでしょう。それは「病んでいる」とされる人間の境界や「生死」の境界、ジェンダーの境界でもある。パッツンに切り分けられたのは我々歌い手とリスナーです。前髪の闇の向こうを、幽霊の幻を、眼差したいと常々思っています。

アーバンギャルド「少女の証明 」CM 

ガイド:
でも、よこたん、天馬君のパッツン具合が近寄っていますけど、まだ生存していますね。

浜崎:
はい。そんな事の為に自らの生涯を終えるなんて間違ってると思い直しました。

ガイド:
それから、この曲の作曲・編曲はよこたんですね。80年代の歌謡曲を思わせる、サビの部分も

キューンと来ます。作曲家よこたんとして覚醒した感があります!

浜崎:
ありがとうございます。もっと褒めてください!
アーバンって、POP要素満載なバンドだと思ってるのですが、歌謡曲っぽい曲って意外と無いなと思って作ってみました。私はシャンソンとか昔のアイドル歌謡大好き人間ですので迷いなく作れました。
あとアーバンでのアレンジは初めてだったので、自分のカラーとかなり違うのではと不安な部分もありましたが、正直な話天馬の詩と、私の唄と、谷地村君のピアノ、瀬々さんのギターが乗ればアーバンの音になっちゃいますね。自分らしさも残しつつ、凄く楽しんでアレンジやらせていただきました。

qulive1

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