テクノポップ/アーティストインタヴュー

アーバンギャルドの証明

只今絶倫、前髪ぱっつんの、ニュー・アルバム『少女の証明』をリリースするアーバンギャルドに松永天馬さん、浜崎容子さんにインタヴューです!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

絶倫です。

ガイド:
お久しぶりと言うほどではないですね。だって、この4ヶ月間、7月にシングル『傷だらけのマリア』(シングルと言っても4曲入り)、8月にこそっとkihirohito×アーバンギャルド としてのコラボアルバム『ソワカちゃんとアーバンギャルド』出して、10月8日にニューアルバムですからね~。現在、創作意欲が絶頂なのでしょうか?

松永:
絶頂と言いましょうか、絶倫と言いましょうか、何かに突き動かされているような感じです。それが性的なものなのか、聖的なものかは分かりませんが、生的であることは確かです。なんかね、言いたいことが増えたんでしょうね。ふとこの国の現状を、社会を見やれば、たくさん窓が開いている。「社会の窓が開いてるよ!」って言いたい気分なんです。過剰なまでに。

浜崎:
できるだけ新曲は鮮度の高い状態でお届けしたいです。冷めないうちに熱々をどうぞ。

shoujonoshoumei

少女の証明

01. プリント・クラブ
02. 傷だらけのマリア(proof mix)
03. 前髪ぱっつんオペラ
04. 保健室で会った人なの
05. スナッフフィルム
06. プロテストソング
07. あたま山荘事件
08. リセヱンヌ
09. ダブルバインド
10. 救生軍
 

少女三部作

ガイド:
『ソワカちゃん』については別途インタヴューをしますので、待望のサード『少女の証明』についてお伺いします。これで、『少女は二度死ぬ』『少女都市計画』に続き、少女三部作となりましたが、最初から想定していたのですか?

松永:
「少女三部作の完結編」という文句はプロモーターが名付けた閉店商法みたいなもので(笑)、三部作なのかはたまた完結編かという部分はまだ分からないのですが、三作品をトライアングルに並べて、三位一体モデルとして提出することはできるかもしれません。その三相で言えば今回は明らかに動的な「聖霊」のスタンス。不在の少女から現実の少女へ交感される言葉、生きようとする言葉を意識しました。

浜崎:
「少女三部作完結!」という文字を見たときは我が目を疑いました(笑)。今作の『少女の証明』は確かにこれまでの作品と比べると一番コンセプチュアルでより濃度の高いものになっておりますが、「少女」という一番興味のあるモチーフに完結も何も、終わりはないと思っています。
 

アーバンギャルドは必ずしもアヴァンギャルドを志向していはいない


ガイド:
今回のアルバムの僕の第一感想は、「素敵なクリシェに満ちている」。クリシェは文脈によっては否定的な意味も持ちますので、気をつけないといけないですが、それは僕たち(何らかの共通する意志≪シンパシー≫をもった人達)がニヤリとする表現なんじゃないかと。

松永:
よく勘違いされるのですが、アーバンギャルドは必ずしもアヴァンギャルドを志向してはいない。クリシェとして、レディメイドとして資本主義に溶け込んだアウラを「資本主義の側から」サルベージすることを目的としている。それが「都会(アーバン)化」された「前衛(アヴァンギャルド)」というコンセプトに結実して「アーバンギャルド」となるわけですね。
アーバンギャルドは80sやテクノポップ史、渋谷系やあまたのサブカルチャーをクリシェとして再編集し、意外な場所にパッチワークすることで或る種のギャップを狙っている。やっぱり「ギャップ萌え」がアツいと思うんですよ!

浜崎:
奇をてらったものやそれっぽくする事は、誰でも出来ることだと思ってます。ただアヴァンギャルドでマニアックなだけものに興味は持てないです。ポテチにチョコをつけて食べると美味しかった的な表現が素敵ですね。
 

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アーバンギャルド

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