完全主義の度が過ぎたら、強迫性人格障害
上記の完全主義のチェックリストで4項目以上が該当し、なおかつ、完全主義的な性格が原因で、日常生活に大きな支障が生じている場合は、強迫性人格障害である可能性があります。強迫性人格障害は、女性より男性に多く見られ、幼児期に厳しい躾を受けている場合に多く見られます。精神分析学の大家フロイト(1856~1939)によると、排泄がコントロールできるようになる肛門期 (1~3歳)に親から厳しい躾を受けると、几帳面、頑固、倹約といった完全主義的な性格が形成されるそうです。
強迫性人格障害では、完全主義にとらわれるあまり、融通性を欠いてしまうのが大きな問題です。単調でルーチンな仕事なら長時間でもいとわないのに、臨機応変の立ち回りが要求される仕事は難しい。何でも真に受けて、ユーモアのセンスに欠けてしまい、気軽な人間関係を持つのが困難。また、失敗を恐れる余り、なかなか決断を下せないといった事もあります。
強迫性人格障害の経過は個人差が大きく、感じの良い人になり、社会的に素晴らしい生活を送る場合もあるのですが、年齢と共に、完全主義的な症状が強くなってしまい、うつ病など他の心の病気を併発する場合もあります。
完全主義的な傾向のある人は、まずは、肩の力を抜きましょう。ストレスが強い状態では、完全主義の傾向がより強くなり、自己の能力を十分発揮するのが難しいものです。リラックスのできる完全主義者を目指しましょう。
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