<CONTENTS>
- 若くても油断できない高血圧……P.1
- 高血圧を防ぐための食生活のポイント……P.2 注目されるDASH食って?_……P.3
血圧ってなんでしょう?
血圧は定期的に測定しておきたいものです。 |
心臓はポンプのような働きをして、血液を全身に送り出しています。心臓がギュッと収縮すると血液を押し出します。その瞬間は、血管に最も強く圧力がかかるので、これが収縮期血圧(最高血圧)と言います。またその後に心臓がホーッと緩んで最も拡張した時は、最も低い圧力になるので、これを拡張期血圧(最低血圧)と言います。
血圧は、心拍出量(1回で心臓が送り出す血液の量)と、抹消血管の抵抗(血液を流す血管の通りづらさ)に左右されます。日本高血圧学会によると、最高血圧140mmHg以上または最低血圧90mmHg以上が、高血圧の分類とされています。(「高血圧治療ガイドライン2000年版」)。
若くても油断できない高血圧
高血圧には、腎臓やホルモン分泌、血管系の障害などが原因で起こる「二次性高血圧」と、遺伝や生活習慣、環境などが要因となる「本態性高血圧」があり、日本人の約90%が「本態性高血圧」だと言われています。2000年の第5次循環器疾患基礎調査によれば、日本人では30歳以上の人のうち男性は約51.7%、女性は39.7%、男女共に高い年齢階級ほど、高血圧の割合が高く見られました。また全年齢階級において、女性より男性の方がこの割合が高く、特に30歳代の男性は女性の約3倍、40歳代で約2倍の割合でした。働き盛りの男性は、要注意ですね。
サイレントキラー
高血圧の怖いところは、自覚症状はほとんどないので対応が遅れ、循環器系に障害がおこってから気がつくことも多いことで、「サイレントキラー」と呼ばれています。できるだけ定期的に血圧を測って、急激に数値が変わっていないか、また変化や不安な症状があれば、病院で詳しく診察してもらうことが大切です。ただし、血圧を1回測定して、その値が高血圧の数値でも、必ずしも高血圧とはいえません。少なくとも2回以上測定された血圧値に基づいて判断しなければなれません。というのは例えば、激しい運動時や緊張時などには高くなるなど、環境条件によって左右されやすいからです。
高血圧あるいは高血糖、高コレステロール、そして内臓型肥満のメタボリックシンドローム症候群の方は、これらが合併すると、それぞれは軽症だとしても動脈硬化のリスクが高くなるので気をつけなければなりません。
厚生労働省の「健康日本21」の試算では、国民の血圧が平均2mmHg下がれば、脳卒中による死亡者は約1万人減り、また循環器疾患全体では2万人の死亡が防げるとか。日本では、高齢化社会になって、ますます膨らむであろう医療費は深刻な問題です。小児肥満は大人になってからの心疾患や高血圧の原因とも言われますし、「私はまだ若いから安心」などと思わず、今から血圧の数値を管理するのは重要なことだと思います。
また男性より女性が少ないのは、女性ホルモンのエストロゲンのおかげ。エストロゲンが、コレステロールや中性脂肪や血圧などをコントロールしていますので、閉経の時期から血圧はもちろんコレステロールなどの数値が高くなることがよく見られますから、女性も安心はできません。
高血圧はなぜ起こるの?
喫煙によって血圧も上昇します。 |
血圧を上昇させる要因
■ 塩分の摂りすぎ
■ 肥満
■ 過剰なストレス
■ 過剰なアルコール摂取
■ 喫煙
■ 運動不足
等があげられます。
血圧は、ストレスでも高くなったりし、ストレスが多くてタバコの量が増えれば、ますます高血圧を招くことになります。いろいろな要因がありますから、「これさ飲めば、食べれば高血圧にはならない」というものはありえません。まずは血圧をあげる要因が自分のどれたけ抱えているかを見直し、改善することが大切です。またたまたまある健康食品などが自分の体にあって効果があったとしても、生活を見直さなければ根本的な解決にはならないことは認識しておきましょう。
生活習慣の中でも食生活は影響が大きいと言われていますので、 血圧が気になる方が、これ以上高くならないようにする食生活のポイントについて、次のページでご紹介します。>>