猫カリシウイルス感染症(FCV) ★★★
■症状カリシウイルスが原因で起こり、猫ウイルス性鼻気管炎と同じような症状や、口の中に潰瘍を作るもの、肺炎を起こすもの、腸で感染し特に症状が出さないものなどウイルスの型により症状が変わります。元気がなくなり発熱や食欲の低下などがおき、その後の経過は様々です。口内炎ができると猫はヨダレを垂らし、食事が食べられなくなり体力を消耗します。子猫や体力のない猫が肺炎を起こすと死亡することがあります。回復した後も、カリシウイルスは持続感染といって常にわずかな量が排出されることがあるので、他の猫の感染源になる可能性があります。
猫ウイルス性鼻気管炎、クラミジア感染症と複合感染することがあります。他の猫への感染はクシャミ、鼻水、目やになどや、病気の猫の世話をする人についたウイルスから、また空気感染もします。
■予防
ヘルペスウイルスより若干強いウイルスなので、猫がいる環境の消毒も必要です。消毒には塩素系漂白剤やホルマリンが効果があります。他の猫への感染はクシャミ、鼻水、目やになどや、病気の猫の世話をする人についたウイルスから、また空気感染もします。感染している猫と接触させない、部屋を分けるほか、感染している猫をケアした後は手洗いや洋服を変えて感染していない猫のケアを行います。
■ワクチン効果
ワクチンを接種することで症状を軽く済ませることができます。
猫汎白血球減少症(FPV) ★★★
別名、猫伝染性腸炎、猫パルボウイルス感染症、猫ジステンバーとも呼ばれます。■症状
パルボウイルスが原因で起こる腸炎で、白血球減少症を引き起こすを病気です。感染すると5~10日の潜伏期間の後、食欲がなくなる・元気がなくなる・発熱などの他、激しい嘔吐や水様性の下痢症状をみせます。もしワクチン前の子猫が嘔吐を繰り返したらこの病気を疑います。動物病院では、簡易キットのパルボウイルス抗体検査で診断の目安をつけることができます。
抗生物質、インターフェロンの投与や点滴による脱水などの対処療法しか有力な治療手段がなく、生存は猫の体力勝負となります。別名3日コロリや猫ジステンパーなどといわれ、子猫が感染すると非常に死亡率が高く、また成猫でも体力がなかったりすると重篤になります。もし回復しても首を振ったり体が斜めになって歩くなどの神経症状が残ることがあります。
■予防
一番の予防は定期的なワクチン接種です。このウイルスは非常に強力で、一般的な消毒薬では死滅させることが難しく長期間存在します。生活環境下にこのパルボウイルスが入り込んだら、新しい猫を迎え入れるには最低でも1年以上時間をあけ、ワクチネーション・プログラムをきちんと行ってからにしてください。このウイルスは自然界では多く存在しますので、猫を外に出さなくても飼い主が自分の靴や洋服につけてマンションの高層階に運ぶことがあります。
■ワクチン効果
ワクチンを接種することで、この病気にかからなかったり、もしかかっても症状を軽く済ませることができます。