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猫に必要なワクチン(6ページ目)

猫を感染症から予防するためにはワクチン接種が必要です。猫のワクチンの種類、効果のある感染症、ワクチネーションプログラムなどを紹介します。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

ワクチンの分類

ワクチンは健康なときに接種しましょう
ワクチンは健康なときに接種しましょう
ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンと呼ばれる2種類があります。

■生ワクチン(弱毒ワクチン)
病原体(ウイルス)は人工的に弱め生きたままで使われます。

■不活化ワクチン(死菌ワクチン)
病原体(ウイルス)は熱や紫外線、化学薬剤などで死滅させ、感染性はなくしてあるが抗原性が保たれている死菌ワクチンです。

接種するのは生ワクチンがよいか、不活化ワクチンの方がよいかは、ネット上でも色々議論があります。生ワクチンは弱毒化されているとはいえ、生きている病原体で体内に入ると増殖するので、接種する抗原量(病原体)は少なくてすみます。しかし、不活化は死菌なので体内で増殖しないため、生ワクチンに比べるとたくさんの抗原を入れなければならないし、1回の接種では確実に抗原をつけることができないので2回接種が基本となっています。また不活化ワクチンには、この死菌をより効果的に体内に広く行き渡らせるための添加剤(アジュバント)が含まれていて、これがワクチン接種後の副作用の大きな原因だといわれています。

しかし、生ワクチンは抗原量が少ないことで、もし移行抗体や過去の感染抗体がある程度以上残っていると、ワクチンの効果が上がらない「ワクチンブレイク」と呼ばれる免疫誘導が不能になることがあります。一方、不活化ワクチンでは一般的にワクチンブレイクが起きにくいといわれています。

生ワクチンは免疫が落ちている猫に接種すると、その病気そのものを引き起こしたり、排泄物(オシッコやウンチ)でウイルスを排出してしまい、ワクチンを接種していない同室の猫に感染させてしまう可能性があります。

生ワクチンを選ぶか不活化ワクチンを選ぶかは、病院によって飼い主には選択できない場合もあるでしょうが、獣医師の見解を聞いて理解した上で接種することをお勧めします。

猫のワクチンの種類

現在日本で発売されている猫のワクチンは、以下の6種類の病気に対応しています。
  1. 猫ウイルス性鼻気管炎(FVR:猫ヘルペスウイルス感染症)
  2. 猫カリシウイルス感染症(FCV)
  3. 猫汎白血球減少症(猫パルボ;FPV)
  4. 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
  5. クラミジア感染症
  6. 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)

混合ワクチンは、この6種類を組み合わせています。
  • 3種混合ワクチン
    1. 猫ウイルス性鼻気管炎(FVR:猫ヘルペスウイルス感染症)
    2. 猫カリシウイルス感染症(FCV)
    3. 猫汎白血球減少症(猫パルボ;FPV)
  • 4種混合ワクチン
    3種に、4. 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)がプラスされたもの
  • 5種混合ワクチン
    4種れに、5. クラミジア感染症がプラスされたもの
  • 7種混合ワクチン
    5種に、2. 猫カリシウイルス感染症(FCV)のタイプ違い3株が使われています
この他、単体で接種できる4. 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)と、6. 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)があります。

 

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