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猫に必要なワクチン(5ページ目)

猫を感染症から予防するためにはワクチン接種が必要です。猫のワクチンの種類、効果のある感染症、ワクチネーションプログラムなどを紹介します。

岩田 麻美子

執筆者:岩田 麻美子

ネコガイド

 

ワクチン肉腫ができたら

まれにですが、ワクチンを接種した部位が盛り上がって腫瘤ができてしまうことがあります。これは、○○メーカーのワクチンを接種したからとか、体調が悪かったからできるというものではなく、猫という動物が、たとえ水やビタミン剤であっても、皮下注射に対して過剰な免疫反応を起こすことが多いからだと考えられています。

ワクチン接種後にできる腫瘤は、炎症性肉芽腫(ワクチン接種部位肉腫)と呼ばれるもので、接種した部位が炎症を起こして腫れ上がった状態になります。もし接種後数週間経っても、手で触って感じるしこりを確認したら獣医師に診せ経過観察をしてください。通常は2~3週間で腫れが引いてきます。腫れが引いてしまえば安心できますが、症例は少ないですがその腫瘤が肉腫(ガン)に変化することもあります。

もし接種後に腫れが残ったことがあれば、次回は違う場所に皮下注射をした方がよいでしょう。続けて次のワクチンを打たなければいけないときは、メーカーや種類を変えた方が無難かもしれません。

接種する場所

猫が皮下注射による影響を受けやすいことがわかってから、従来接種していた背中の肩胛骨近くから太ももや後ろ脚、しっぽの先に注射する獣医師が増えてきています。背中にできた悪性腫瘍を手術で切除するのは部位的に非常に難しくなるため、手術しやすい部位に注射を打つという考え方です。しかし、背中より太ももや脚の方が強い痛みを感じる猫が多く、他の部位に打つことをためらう獣医師もいます。毎年のワクチンを同じ場所に接種しない方が無難なので、獣医師任せにせず飼い主もワクチンを接種した場所がどこだったかメモを残しておくことをお勧めします。

高齢・慢性病を持っている猫へのワクチン

ワクチンは毎年接種しなければ効果が落ちてしまいますが、10歳以上の高齢猫や腎臓やそのほかの慢性疾患を抱えている猫へのワクチンは、打つことのリスクと、感染するかもしれない病気のリスクを正しく理解してから行う方が望ましいでしょう。高齢猫と慢性病猫へのワクチン接種は、主治医とよく相談の上、行うかどうか飼い主の判断で決めてください。

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