ワンダージャンクなユニークギャラリー黒豆(2ページ目)

様々な素材を組み合わせて、自由に大らかに創る

さて、このギャラリーを営むのは、自身もアーティストである 土屋美津子さん。たくさんのお客さまに囲まれて、 笑顔とジョークが絶えない、朗らかで明るいひまわりのような方でした。 昔からインテリアが大好きで、カントリーや和風や、 様々なスタイルの遍歴を経て、今の形にたどり着いたのだそう。 使えないパーツやガラクタでも、アイディアを閃かせて、 思いも寄らないディスプレイを考え付いてしまいます。 作品作りのきっかけも、 ついつい買い込んでしまう溜まりに溜まったジャンクな ガラクタたちを、どうにか活かせないかと、頭を捻った 結果でした。 糸巻き、カメラ、お菓子の型、ポテトマッシャーなどなど、 ユニークな素材を組み合わせて、ランプや家具を作っています。 実際に作品を制作するのは、鉄工職人でもあるご主人。 最初の頃は、美津子さん主導でデザインを考えていましたが、 今では夫婦合作で、ご主人のセンスが端々にキラリと光っています。


個性的でどこかとぼけた風情もあるランプや家具。
ぼうっと灯る光が素朴で癒される。

どこか異国のような風情ですが、本人はまだ一度も海外へ行ったことはないんだとか。 でも外国の風景やインテリアを見るのは大好きで、洋書やインテリア本をたくさん持っているのだそうです。本をくまなく眺めて、異国へ想いを馳せ、イマジネーションを膨らませて、独自の作品作りに反映させる。これってまるで、「シュヴァルの理想宮（フランスにある奇妙で壮大な建築物）」なのでは？！

週末は夫婦揃ってお宝探し。骨董市や古道具屋、問屋街や秋葉原にも、あらゆる場所に出かけてしまうそうです。 丸１日かけてあちこちを巡り、関東一周してしまったこともあるとか。 耳寄り情報には素早く駆けつけ、日々素材発掘にいそしんでいます。


これも素材のひとつ。なんと昔の消防用ホースの先端！

ワンダージャンクガーデン

用途は不明だけれど、心に響くディスプレイ。 ギャラリーの真ん中には木の扉があり、そこから中庭に 出られるようになっています。 この庭がまたユニーク。 美しく整ったいわゆるガーデニングとは一味違いますが、 ぐぐっと吸い寄せられる不思議な魅力があります。 ジャンクがずらりと並ぶデッキの横には、 透明の波型スレートを載せて簡易に天井を付けた、サンルームのような 小部屋もありました。 ここは、作家やお客さんの コミュニケーションスペースとして、 ちょっとお茶を飲んだりおしゃべりしたりできるように、 ソファや椅子も用意されています。 真冬の寒い日にも関わらず、 庭の居心地にハマってなかなか戻ってこない人も多いようでした。



不規則で意表をつくディスプレイ。庭に出たまま帰ってこない人続出。

気がつくと丸１日ここで過してしまいます。 次々と新たな発見があるので、何時間でも楽しめるのです。 この小さなギャラリーに一歩足を踏み入れると、 濃密な空気がたっぷりと流れているのでした。 そしてようやく外へ出ると、まるで夢心地。 今までの出来事が不思議な幻のように感じられるのでした。


ギャラリー黒豆
埼玉県東松山市下青鳥186-5
東松山駅よりタクシーが便利です。
tel 0493-24-0403
営業時間 11:00-17:00 　日・水休
※営業日は展示によって異なることがあります。




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