外観

畑の脇にある、右端のちっこい建物が目的地。


とある場所にて、古びたランプに目を奪われました。 見たことのない形と色。 傘の部分は鉄でできていて、マドレーヌかフィナンシェか、お菓子の型みたいな形です。 足は木製の糸巻きのような形。 アンティークにしては風変わりだなあ、と思っていたら、 古いパーツを組み合わせて作った、作家の作品だと聞きました。 そして、この作品を作っている人がギャラリーをやっていることも判明。 それは田畑の広がる、のんびりのどかな場所にありました。

外観

手作りの看板は暗くなるとぼーっとあかりが灯る。
細い路地を抜けて、納屋のような建物の扉へ。


到着してみたものの、ここでいいのか、ちょっとためらいます。 知らなかったら、農作業小屋だと思ったことでしょう。 看板といっても、 不思議なガラクタを組み合わせて作っていて、 作品を観たことがない人だったら、これが看板だと理解できないかもしれません。 うーん、やっているのかいないのか。 外は全く人気はないし、しーんと静かな田園風景だし、 だいたい本当にここがギャラリーなのだろうか? きつねにつままれたような気分になりながら、恐る恐る扉を開けます。

実験室?アトリエ?映画のシーンのような世界

店内
このごちゃまぜな感じがクセになるのです。
入ってみて、しばし声が出ませんでした。中の様子をどう言葉で 表現していいのか分かりません。 いろいろなものが雑然と並んでいるのだけれど、 なぜか妙に居心地がいい。一見バラバラごちゃごちゃのようでいて、 絶妙なバランス感があるのです。 古いものや手作りのもの、何かのパーツや材料など、とにかく見たことないようなものが 不規則に並び、異国のような異次元のような、不思議な世界。 アリスのワンダーランド、チェコ映画、ミヒャルエンデの小説、 そして実験室とアトリエが全部合体したかのよう。 まるで夢でも見ているような気分です。 この衝撃をリアルに味わいたいのなら、ここから先はもう読まないで、一刻も早く、現地へ向かってください。


店内写真

混沌としているようで絶妙なディスプレイ。誰もマネできません。見事です。


ここは一体どこなのか。しばらくのぼせてしまって、 我に返るのに時間がかかりました。 細部まで目を凝らせば凝らすほど、ブラックホールの ようにどんどん吸い込まれていってしまい、 きりがありません。誰かに話しかけられても、たぶん今は聞こえません。 未知との遭遇に心を連れて行かれてしまったようです。

空間と作品が奏でる、愉快で刺激的なハーモニー

ギャラリー
作品とジャンクが共存する空間。
さて、その日、中は大混雑でした。外はあんなにのどかで静かだったのに、 この小さな部屋にはわいわいと人が戯れ、熱気ムンムンに賑わっています。 8人の作家による「生活道具展」が開催されていました。 陶芸、ガラス、フェルト、漆、布など、様々な作品が並んでいます。 といっても、一般的なギャラリーの展示(白い無機質な空間の中に 作品が並ぶ)ではありません。 オリジナルで設えたアンティーク家具やリメイク家具の上に、 ジャンクやガラクタと一緒になって、混ざり合うように展示されています。 作家自身もこの空間に刺激を受け、新たな境地を見つけてしまうようで、 いたずら心や遊び心に溢れた、伸び伸びと楽しそうな作品ばかりです。


ギャラリー
宝探しをするような気分で、ワクワク楽しめる展示。
カラフルな小箱は実は漆製。菅原利彦さんの作品。
石膏のような質感の白い器は、吉田次朗さんの作品。


次ページでは、オーナー夫妻のジャンクリメイク作品、そしてガーデンスペースへ。