MicroWorks・海山俊亮のデザイン(2ページ目)

ホームセンターや工事現場がアイディアの泉

キーリングにも指輪にも。パッケージもきれいなので、プレゼントにいい。

海山さんのデザインのアイディアは、 普段の何気ない日常の中でふっと浮かび上がってくるようです。 「机に向かって考える、というより、ダラダラしてるときなんかに 意外といいアイディアが浮かびますね。 毎日生活していて、ふと思うこと、感じることはとにかくメモして、 しばらく置いておきます。携帯電話のメモ帳に入れてることもありますよ。 そして後で改めて見て、具体的に実現できそうなものをピックアップしていきます。 他のデザイナーがあまりやらないようなものに興味がありますね。 なんでもない些細なものを面白く楽しく、ちょっと豊かな気持ちになれるようにしたいと思っています」。


小鳥が止まっているだけで、ハンガーが愛おしい存在になる。

海山さんの好きな場所はホームセンターに工事現場、そしてときどき100円ショップ！ 海外へ行ったときにも、必ず工事現場などを観察するそう。 「アノニマスなものの中に、優れたデザインを見つけたりするのが新鮮で、 多くの刺激を受けます。とてもリアルでアイディアのヒントが無数に転がっている場所だと思います」。


海山さんのアトリエの一角。自身の作品がインテリアに馴染んでます。

さて、海山さんの新作を少しご紹介。 写真下左のワイングラスは、「株式会社 森のいいこと」と共同で進めている 「WHERE TO START」というソーシャルプロジェクトでの提案。なぜか土台の部分が木で出来ています。 しかも半円で斜めの不思議なかたち。実はこの木の部分、“受け口”というもので、 木を倒すとき必ず最初にくり抜かれる、伐採導入部分のカケラだそう。 全ての木工製品の出発点というストーリーが面白く、コンセプチャルな素材だと感じたとか。 受け口に支えられてプロダクトが完成し、 ちょっと不安定に見える視覚的な面白さも持っています。 作品を展示発表したときは、グラスの中に香りのする木のチップを入れて、 五感で楽しめるような演出を行ったそうです。 現在目黒のクラスカの7,8Fで開催されているMix roomでも発売中。


なんだか楽しくなってくる、ウキウキするデザインですね。

右上は陶器製の塩・コショウ入れ。穴の部分に♪（音符）がデザインされています。 なんでもないことだけど、このちょっとしたプラスアルファで料理が楽しくリズミカルになってしまう！ マラカスみたいに調子に乗って、振り過ぎに注意です。 これは夏頃の発売予定で商品化が進んでいるそうです。
そして右下は一見普通のネクタイの裏地が・・・プチプチです！ビジネスマンの象徴でも あるネクタイを、少しでもストレス解消できるアイテムに、 という思いでデザインしたもの。DesignLuxeが主催し、昨年の秋に開催された企画展 「DeLuxe?展」で発表した作品です。こちらはまだ商品化の予定はないそうですが、 これを欲しているビジネスマンは密かに多いんじゃないでしょうか。 イラっとしたらプチッ！ささやかな抵抗ですが、少しは気が晴れそうです。


海山さんのアトリエで。仕事ポーズでパチリ。

昨年にはOZONEで自身の個展も開催した海山さん。今までのほぼ全ての作品を展示し、 自分自身の軌跡を振り返る良いきっかけにもなったとか。 展示を見に来てくれた人とのコミュニケーションも楽しかったそうです。 今後も自分らしいオリジナルを作り続け、新たなアイディアの提案をしていきたい、とのこと。 まだまだ何か面白いたくらみを秘めていそうです。

MicroWorks（マイクロワークス）
http://www.microworks.jp/

2009年5月25日まで、KDDIデザイニングスタジオでも海山さんの充電器が展示されています。
http://www.kds.kddi.com/



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