古いものならではの良さを見出す
POEのレースアップギリーシューズ。履きやすいと好評。 |
お店をオープンすると決めてからは、回りの協力が大きかったという鍛冶さん。 家具職人のお兄さんやその工房の仲間たちが内装を手伝ってくれたそうです。 壁を白く塗り、一部にタイルを貼って雰囲気を出し、床は板張りに。 玄関から入った一部分だけ、石を埋め込んだコンクリートのたたきがあり、 空間にメリハリを付けています。 このたたきを見て、靴を脱いで上がってしまう人も多いんだとか。 (実際は、靴のまま上がれます)。
さて、写真の靴は、いい靴作りをしていると鍛冶さんが心から惚れ込んでいるメーカーのもの。 職人さんが木型からひとつひとつ丁寧に仕上げているそう。 「靴は古道具ではありませんが、ファッションの中で一番道具っぽいアイテムだと 思っています。デザインも店の雰囲気に合っているし、 何より履きやすい。スタイリストさんや編集者さんなど、お洒落にも気を使って 歩き回ることの多い人に人気があるようです」。
50年代と思われるバッグやクロスのペンダントトップなど、お洒落アイテムもちらほら。
店内をぐるぐると見渡すと、陶器やガラスなど食器類もあれば、 本やステーショナリー、手芸道具があったり、と置いてあるもののジャンルは様々。
「ストイックにピシッと決まっている店ではなく、やや雑多な感じで、普通っぽい生活空間を 表現しているつもりです。置いてあるものも基本的に使えるもの。 だいたい明治以降のものが多いですね。あの頃のちょっとハチャメチャな感じが 面白いなあと思って。 古道具はまとめ売りが多くて、人によってはどれも不用品に見えるのですが、 そんな中で、これいいじゃん、と思うところを見つけてあげたいと思っています。 ヘンテコでもそこから価値を見出して、いい!と思ってくれるお客さんと出会ったりすると、 すごく嬉しくなってしまいます」。
店内にちょんちょこと散らばっている、おとぼけ顔の動物や人形たち。お店を
始めてみて、自分はこういうのが好きだったんだ、と気づくことも多いとか。
お店のお向かいにはおばあちゃんが3人住んでいて、何かと親切にしてくれるそうです。 ちょっとした立ち話ができるのも、この土地ならでは。 お隣の帽子屋さんはもちろん、回りにはベーグル屋さんや雑貨屋さんなど小さなお店もちょこちょことあり、 みんなでご飯を食べたり、一緒に遊んだり。 お店を始めてまだ4ヶ月とのことですが、 近所の温かな人々に囲まれて、すっかりこの土地に馴染んでいるようでした。
古道具が包まれていた古い版画。味があって捨てられないそう。
明治大正時代の新聞紙なども面白く、つい読みふけってしまうとか。
古道具 Negla [ネグラ]
東京都文京区千駄木2-39-5富士マンション102号
tel 050-3417-3766
13:00~19:00
不定休
http://www.negla.net/
谷中散策に。ご近所のお店をご紹介。
C.A.G.(お隣の帽子屋さん)
旅ベーグル
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