東京・神奈川・千葉・埼玉に住む/23区南[目黒・世田谷・大田・品川]

二子玉川。再開発で盛り上がる、緑溢れる水辺の都会(2ページ目)

多摩川沿いの街の中で、誰もが知っている街といえば、ここ、二子玉川。2線利用の便利さに、しゃれた街並み、自然と触れ合える水辺……。都市と自然の交差点とも言うべきこの街の住み心地は?

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

分譲、賃貸とも川沿い、駅近は古い物件が大半

川沿いの住宅街
堤防があるため、2階建てくらいでは川の眺望は楽しめない(写真は再開発以前)
二子玉川に住むなら多摩川の見える場所と思う人も多いようですが、これは至難のワザ。少し前、川沿いにタワーマンションが建って話題になりましたが、新しい物件は意外に少ない地域。古くからの建物が川の眺望を独占していることが多いのです。

また、駅の西口側にはタマタカ、そしてそれに続く商店街があるため、住宅エリアはそれを越した地域になり、駅からは数分以上。国道246沿いにもガーデンアイランドなどの商業施設その他があり、住宅エリアはその背後になっており、やはり数分以上。しかも、駅から数分圏のマンションは築年数が古いものが多く、築30年以上も珍しくありません。

購入なら徒歩10分以上、バス便利用、隣駅利用も視野に入れて

二子玉川お屋敷街
駅からバス便利用の岡本あたりでは、一戸建て、低層マンションが多い(写真は再開発以前)
スローライフな街の雰囲気のせいか、ここに住宅を購入したいと考える人はファミリーが中心。多少、駅からは遠くても、広くて永住できる住まいをという志向が強く、基本的には70~75平米の3LDKを中心に、それよりも広めの物件が大半です。徒歩10分以上という物件も少なくありませんが、その分、静かで落ち着いた環境が手に入ります。

もう少し近い場所と考えるなら、東急田園都市線の隣駅、用賀も含めて考えてみるのも手です。また、最近では多摩川を渡った二子新地でも物件が増えています。歩いて歩けない距離ではありませんが、二子玉川駅を最寄りというにはいささか微妙です。


【この街周辺の中古マンション相場は?】
駅名 平均坪単価 平均築年数 1年前の平均坪単価
駒沢大学 206万円 27.1年 200万円
桜新町 222万円 23.9年 216万円
用賀 210万円 26.7年 203万円
二子玉川 242万円 18.9年 253万円
二子新地 174万円 16.8年 159万円
※東京カンテイ調べ。2014年9月~11月の数字。
※駅からの距離などには特段の制限はない

東急田園都市線(都内部分)の中古マンション相場は、10年以上前までは駅による差がほとんどないのが特徴でした。電車利用時の所要時間に大差ないこと、どの街もイメージが高いことがその要因です。しかし、再開発に伴い、二子玉川の価格は他駅よりも一段アップしました。従来の供給は駅の近くで古く、狭めの物件、駅から遠くて広めの物件の2択でしたが、ここに来て駅に近く、新しい物件も登場しているのです。また、お屋敷の多い岡本あたりでは、駅から遠くても、相場は高め。グレードの高いマンションが中心になります。

一戸建てで世田谷区内、歩いて20分くらいまでを考えるとすると、瀬田4丁目、5丁目や上野毛などが候補に挙がってくる地域。再開発エリアが東西に細長く伸びているため、隣駅上野毛が以前より近くなった印象があり、そのため、上野毛エリアでの供給は増えています。価格は建築条件付の土地で6000万円前後から。新築建売一戸建てになると8000万円を中心に前後1000万円ほどが目安です。中古ではもっと高額の物件もありますが、最近では分割されて手頃な新築になっているケースが増えているようです。

ワンルーム7万円~、2DK8万円~、高額物件も点在

世田谷のアパート
駅から離れた場所なら手頃な賃料のアパートも(写真は再開発以前)
単身者向きよりも2DK以上、カップル、ファミリー向きの物件が多いのが、二子玉川の賃貸市場。駅に近い場所にはマンションが多く、徒歩10分以上、バス便利用などと駅から遠くなるとアパートが中心になってきます。古い物件も多く残されており、単身者向きで5万円台のワンルームなど手頃な物件もあります。

2DKも単身者向き同様、8万円を切るようなバス便物件もあるので、多少遠くてもいいという人には安く借りられる可能性も。2LDK以上になると、マンションが中心になり、賃料は10万円~。分譲物件同様、岡本や東急大井町線の隣駅上野毛あたりには、駅から距離はあるものの、設備、広さのあるハイグレードな物件もあり、賃料は20万円以上。予算があれば広い一戸建てなども借りられます。

二子玉川ライズ完成で周辺にも余波?

二子玉川東地区再開発
駅、東側には老朽化した木造家屋も多く、防災上も再開発が必要だ(写真は再開発以前)
二子玉川といえば話題は2000年(平成12年)に都市計画が決定され、長年開発が続けられてきた東口の再開発の完成。玉川1丁目、2丁目、3丁目にまたがる約11.21haという広大な敷地に加え、約6.3haの二子玉川公園も整備され、街は全く新しい姿を見せています。

また、駅周辺が大きく変わったことで、周辺地域も動き始めました。

最後は再開発で登場した二子玉川ライズの全貌と周辺事情を見ていきましょう。

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