東京・神奈川・千葉・埼玉に住む/23区南[目黒・世田谷・大田・品川]

三軒茶屋は元気な世田谷の下町だった

シングル、カップルの住んでみたい街として必ず挙がるのが三軒茶屋。人気の世田谷区の中でも下町っぽい、元気な雰囲気がこの街の魅力。暮らしに、遊びに便利なこの街の魅力を見ていきましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

渋谷から5分、バス便も豊富な交通の要衝



【三軒茶屋と周辺の位置関係は?】

三軒茶屋周辺地図
鉄道、道路ともに便利な交差地点に位置する三軒茶屋

三軒茶屋駅前
駅が地下にあり、国道246号で街が分断されているため、駅前らしい雰囲気はいまひとつ
渋谷から東急田園都市線で2駅目、三軒茶屋はその名の通り、江戸時代に大山参りで賑わった大山道に並んだ3軒の茶店を中心に発展してきた街。今も、鉄道では東急田園都市線と東急世田谷線が乗り入れ、道路では国道246号、世田谷通りが合流する交通の要衝です。渋谷から東急田園都市線でわずか5分というだけでなく、終電が24時42分と遅い点も人気の理由のひとつ。夜中まで渋谷で遊んでも、電車で帰ってこられる街というわけです。

渋谷からはバス便も多く、弦巻、等々力、祖師谷大蔵、上町行きなど、かなりの路線が三軒茶屋経由となっています。特に上町経由の祖師ヶ谷大蔵行き最終の深夜バスは25時5分渋谷発(420円)となっており、終電を逃したら、こちらで帰ってくるのも手です。また、バス利用なら下北沢や田園調布、成城学園前、目黒などへも乗り換えいらずでラクラクです。

キャロットタワー展望台からの世田谷区の眺め
キャロットタワー26階の展望台から眺めると、世田谷区は平坦な場所であることがよく分かる
駅周辺には商業施設が建て込んでいるため、駅から離れた住宅も多い三軒茶屋。平坦な場所なので、自転車利用が便利なのですが、問題は駐輪場。駅周辺には区営の駐輪場が5ヵ所ありますが、駅から離れた場所もあり、放置自転車が多いのが現状。そこで、区では駅周辺の2カ所で貸し自転車事業を展開。月に2000円で24時間使え、置き場所を考える心配もいらないというもので、三茶で駅から離れた場所に住むなら、お役立ちでしょう。


路地の多い、雑多な雰囲気、活気が人を惹きつける

三軒茶屋のエコー仲見世商店街
闇市の面影を残すエコー仲見世商店街。最近ではフェアトレードの店など新しい息吹も
国道246号と世田谷通りの交差点に立つと、飲食店が並ぶすずらん通りや闇市の後にできたエコー仲見世商店街、建物ひとつが商店街というブンカ名店街など、いくつもの商店街が目につきます。そして、その多くが狭い路地に小さな店が密集、ある種猥雑な雰囲気を持っています。

 
飲食店街

茶沢通り、246を挟んで飲食店街が広がる。路地の両脇に広がる店の多くは個人の経営(クリックで拡大)

三軒茶屋は、関東大震災、第二次世界大戦時に下町から移り住んできた人が多い街で、道路の整備などが行われる前に急激に人口が増えたため、こうした街並みになってしまったのだとか。1996年に再開発でキャロットタワー周辺が整備されるまでは、街全体がごちゃごちゃした印象でした。

 

三軒茶屋の名画座
2軒の名画座が隣接している街はここだけかも。2005年当時の写真だが、建物自体は変わってはいない
しかし、おもしろいことに、それが三軒茶屋の魅力のひとつになっています。ちょっと怪しげな雰囲気のある飲み屋街、古くからの映画館、バッティングセンターに釣堀など、そこここに残るレトロモダンな雰囲気は他の街にはない、独自のもの。世田谷の下町と称されるのも、その雰囲気からでしょう。

 
ワインバー

釣堀変じて立飲みワインバー。老舗飲食店に加え、このところ、スパニッシュバルやオイスターバーなどしゃれた雰囲気の店が増加中(クリックで拡大)

という記事を書いたのが2005年。残念ながら、それから8年後の2013年、上の写真にある映画館は廃館に。ただし、働いていた人たちが復活を目指して活動しているとのことで、今後はどうなるかは分かりません。また、釣堀も廃業。その跡地は現在流行中のワインの立ち飲みバーになりました。とはいえ、猥雑な雰囲気は幸いにも健在。一部に再開発の動きもありますが、今のところ、明確な計画にまでは至っていないようです。

 

活気といえば、お祭りもこの街の名物。8月の三茶フェスティバル、10月のアートタウンなるイベント(大道芸のパフォーマンスなど)のほか、駒留神社の祭礼などがあり、街は一層賑やかに。世田谷線沿線では年末年始に行われるぼろ市も全国的に有名です。


24時間便利な街は物価も安い


三軒茶屋で便利なのは足回りだけではありません。お買い物も超がつくくらい便利な街で、駅周辺には5軒ものスーパーが林立、しかも、大半は24時まで営業です。24時間営業の業務用スーパーもあり、買うものに合わせて、買う店を選べます。

食品スーパー

このところ、茶沢通りその周辺を中心に増えているワイン、輸入食材やお菓子、チーズなどを置いた食品スーパー。地域の食生活が変わった?(クリックで拡大)

また、かつてはディスカウントストアが多いのも特徴でした。246を挟んで地元資本のディスカウントモリ、セキゼンと2軒のディスカウントストアがあり、さらに最近ではドンキホーテ系列のピカソなども参入とディスカウント天国の名を欲しいままにしていたのですが、2006年以降にモリ、ゼキゼンともに廃業してしまいました。その後に目立って増えたのが多種のワインを置く、輸入食材を置くようなスーパーです。かつての庶民的な雰囲気にしゃれた雰囲気も加わり、変化はしたものの、三軒茶屋の買い物事情は相変わらず良好です。

 

もちろん、飲食店も同様。駅周辺には安くてボリュームたっぷりの定食屋さんや日本酒やつまみの品揃えで全国的に有名な飲み屋さんなどが並び、毎日違う店で晩御飯という生活も可能。老舗とも言える店に加え、新規参入の店も多く、しのぎを削っています。

駅から離れると公園、緑道、隠れ家バーも点在

三宿
三宿はいまや全国的に有名なお遊びスポット
駅周辺のわいわいと元気な雰囲気も魅力ですが、三軒茶屋周辺には違う表情のある街が広がっています。例えば、バブル期以降、急に人気の出た三宿。ここは三軒茶屋と池尻大橋のちょうど中間くらいに位置し、深夜までやっている気の利いたバーや蕎麦屋さん、ライブハウスにフレンチレストランなどが点在。気分を変えたい時には足を伸ばせば、ぐっと大人のムードが楽しめます。

三宿にはこのあたりではもっとも大きな世田谷公園があり、犬の散歩やジョギングにおすすめ。フリーマーケットもよく開かれており、あまり知られていませんが、バーベキューも楽しめます。

烏山川緑道
烏山川緑道のせせらぎ。北沢川緑道など、桜の名所として知られる場所も身近に
散歩には環状8号から三宿池尻までの烏山川緑道、同じく池尻から赤堤までの北沢川緑道、三軒茶屋から中目黒までの蛇崩川緑道などもおすすめ。せせらぎのある水辺の道あり、桜の時期には並木となる地域ありと、四季を通じて和めるスポットで、都心近くながら、自然を感じる暮らしが実現できます。

では、気になる住宅の相場はどうなっているか、次ページで見ていきましょう。
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