住みたい街 首都圏/住みたい街の見つけ方

街選びは恋愛。一生愛したくなる街の選び方(2ページ目)

結婚、転職、そして家選びには恋愛同様、相性と勢い、そして相手を知ることが大事です。勢いは別として、街との相性と相手を知るためのノウハウを見ていきましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

1.地図を見ながら歩く



街中の案内図
街中に設置された案内図も重要な情報源。避難場所や自治体の施設、小さな公園などを探す場合には、こうした案内図のほうが役に立つことも
土地勘のある街なら問題ありませんが、知らない街を歩くのであれば、地図は必需品。市販の住宅地図などを用意しておきましょう。もちろん、デベロッパーが用意している地図を利用してもいいのですが、それだけに頼らないことが大事。というのは、住む人に都合の悪そうな情報は書かれていない可能性もあるため。公平にあらゆる施設を記載してある地図が基本です。


また、できれば現地を訪れる前にどういう順に、何を見て歩くかをあらかじめ計画しておくと効率的。基本的には駅周辺、駅から物件まで、そして物件周辺は必ず見るものとし、小中学校や自治体の出張所、公共施設、公園なども予定に入れるようにしましょう。

もうひとつ、大事なのは、モデルルームの見学などは別として少なくとも2時間程度は予定しておくこと。歩けば歩くほど、街の本当の顔が見えてきますから、ここで面倒がってはいけません。そのつもりで、時間と歩くための用意をして出かけましょう。

2、駅前で見る



商店街
スーパーや大規模商業施設と商店街が併存している街のほうが競争があって、物価が安いことが多い
たいていの場合、駅周辺にはその街の商業施設が集まっています。商店街やスーパーの店の種類や営業時間などは、ネットなどの情報でも分かりますが、実際の品揃えや活気は自分の目で見なければ分からないので、商店街、スーパーには必ず行ってみること。同じ系列のスーパーでも品揃えや鮮度には違いがあるということを意識、自分たちの生活に必要な品が揃っているかどうかを見ておきましょう。


お惣菜屋さん店頭
チェーンの飲食店、弁当屋さんは価格が一定なので、それよりは個人商店でチェックしたほうが街の物価が分かる
駅周辺では外食、中食事情も大事なポイント。特に忙しいカップルであれば、夜遅くきちんとした食事ができるかどうか、帰りに買って帰ることができるかのチェックは忘れたくないものです。


自転車置き場
公共の自転車置き場では、年契約、1日利用など期間のよって置く場所、利用料金が違うので確認が必要
また、駅までバス、自転車を利用するつもりがあれば、そうしたチェックも必要。バスについては時刻表を見れば運行本数、頻度、終バス時間などはすぐに分かります。自転車については、駐輪場の有無、利用料金など。最近では公営の自転車置き場も増えているようです。


駅周辺ではごみごみした、近寄りたくない場所がないかどうかも見ておきたい点。多少の猥雑さは街の魅力になりえますが、それが度を過ぎていると、犯罪、放火などの可能性にもなります。女性一人で夜間歩きたくないような場所があるような街はあまりお勧めできません。

3.物件までの道で見る



平坦な道
平坦で歩道、車道が分離されてれば子ども連れでも歩きやすい
駅から物件まで。まずはデベロッパーお勧めの道を歩いてみましょう。これで実際の所要時間が分かりますから、これは必須です。よく、購入後の失敗談で、思ったよりも坂道がきつくて大変という声を聞きますが、自分で歩いてみれば、失敗はしなくて済むはずです。


空き地
大きな空き地や駐車場は夜間人気がなくなることが多いので要注意
歩きながら意識したいのは、交通量と夜間の安全性。交通量の多い道路で、歩道にガードレールがない、横断歩道が少なく、歩道橋まで距離があるような場所は事故が起こりやすく、危険です。安全性という意味では、途中に大きな駐車場、寺社仏閣、工事現場や空き地など、人通りが少なく、暗くなりがちな場所があるのは不安です。もうひとつ、道の脇に崖や橋などがある場合は、地震のときに道を分断する可能性があるので注意したいところです。


4、物件の周囲で見る



放置されたごみ
ごみや自転車が放置されていると、放火の可能性も高まるので注意が必要
物件の周囲では実際の敷地の周囲と、物件から5分圏を見ましょう。敷地周辺では、ごみや自転車などが放置されている荒れた場所がないか、人目につきにくい細い路地がないか、建物内に入る足場となるような電柱や樹木がないかなど、犯罪が可能性を考えながらチェック。あわせて、自分が購入したい部屋が外からどのように見えるかを想像してみるといいでしょう。


物件から5分圏は毎日の生活の利便性を左右するエリア。もちろん、駅から5分圏に物件があるなら問題ありませんが、そうでない場合にはどんな店があるかは必ずみておきたいもの。スーパーあるいは商店街、コンビニは欲しいところですし、店の種類としては八百屋、魚屋、肉屋、酒屋にクリーニング店などは欲しいところです。

避難場所
災害時の避難場所としては小中学校や自治体の庁舎、公園、河川敷などが指定されることが多い
商業施設以外では学校や自治体の出張所、郵便局、保健所、公園、災害時の避難所なども建物周辺で確認したいポイント。子どもと一緒に利用する場所については、ベビーカーで移動しやすいかどうか、子どもの足でどのくらいかかるかをお忘れなく。


5、歩いて街を感じる



江田の素敵なカフェ
最近では裏通りにしゃれた店があることも多い
さて、物件周囲をチェックしても、一目散に帰ってしまわないように。行きは所要時間を知るために、ある程度、さっさと歩いたはずですが、帰りでは駅まで他の道を歩く、わき道に入ってみるなど、ある意味、欲得抜きで、街を知るつもりで歩いてみてください。そこで、面白そうな店や、きれいな並木など、この街に住んでも良さそうな、最初のイメージを覆すようなものを発見できれば、めっけもの。その街に住むことを検討してみてもいいかもしれません。


6、体験してみる



公園で遊ぶ母子
公園などで人がいたら、話しかけて地元情報を集める手もある
さて、ここまでは簡単にチェックとだけ書いてきましたが、それは単にそこに何があるのね、と眺めているという意味ではありません。公園であれば、入ってみて、どのような設備があるのか、どんな子どもたちがいるのか、死角になる場所はないかなど、実際に子どもを遊ばせることを考えて確認するということです。


スーパー内部
なんとなく眺めているより、実際にお買い物してみるほうが実感として価格や品揃えが分かってくる
自治体の出張所であれば、入って自治体の便利帳などをもらうようにすれば、住み始めてからも役に立ちます。スーパーで実際に晩御飯の買い物をしてみれば、今まで住んでいた街との物価の差が分かりますし、自分たちに必要な品があるかどうかも分かります。このように、体験しながらチェックすれば、購入後に失敗したと思うことは少なくなるはずです。


スーパーの駐車場
郊外での生活には車は必需品。その意味で車での見学は一度やってみるべき
また、郊外なら車で行ってみることも大事。利用することになるショッピングセンターに行ってみれば途中の道の混雑度や走りやすさが分かりますし、駐車場に停められている車を見れば、周辺の住民の雰囲気もつかめます。


そして、これはいいぞとなったら、夜間や平日など、初回とは条件を変えた日に訪問してみるのも手。静かでいいと思った住宅街が夜になると、不安を感じるということもあるからです。

物件選びで難しいのは、物件がひとつずつ違うことと、住む人の感じ方が一人ずつ違うこと。他人の意見を参考にするのは大事なことですが、最終的に大事なのは、自分が好きかどうか。やっぱり、恋愛と似ていますね。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます