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「通勤も生活も進化する港北ニュータウン(前)」では港北ニュータウンの開発の歴史や街全体の特徴などをご紹介しました。続いて、今回は住宅街の姿やそれぞれの街の様子をご紹介します。
駅周辺、通り沿いにマンション、
数分離れると一戸建てが基本形
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通り沿いにはマンション、少し離れて一戸建てがニュータウンの住宅配置の基本。写真は中川駅近く |
ニュータウン内では住宅も計画的に配されています。具体的には駅周辺、駅を挟んで走る通り沿いにマンションが建ち、そこから少し離れると一戸建てだけの住宅街が広がるという配置が基本です。一戸建ての住宅街に入ると、多少小規模な共同住宅があるにせよ、大型のマンションは皆無。一戸建て中心の住環境を守るようになっています。
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住宅街の中の道に入ってもぐるりと回って元の道に戻るようになっていることが多い |
また、通りから住宅街に入る道はすべて、入った通りに戻ってくるようにロの字を積み重ねた形になっており、他の通りに抜けにくくできています。通り抜けができませんから、居住者以外は住宅街に入ってこないため、住環境が守られるというわけです。地域によってはかなり曲がりくねった、坂の多い道になっており、知らない人間には非常に分かりにくく、運転もしにくいです。通りの分かりやすさから考えると、ここはわざわざ分かりにくく作ってあるわけです。
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ニュータウン内には設備の充実した大規模物件が多い。敷地が広いため、公園や緑地なども設けられている |
通りに近い場所に立地するマンションには大規模なものが多く、2棟、3棟と複数の棟が広大な敷地に点在する物件も少なくありません。共用施設などが多いのはもちろん、この地域では敷地内の環境保護、環境共生に取り組む管理組合が目に付きます。敷地内にある雑木林や竹林を自分たちで管理、育成、そこで伐採した竹を利用して小物作りなどのイベントを開くなど、都心のマンションにはない取り組みです。子どもたちはもちろん、大人にも、日常的に自然と触れ合える暮らしは新鮮ではないでしょうか。
中川駅
国道246号に近い
緑の多い、静かな街
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中川駅前。駅ごとに異なるモニュメント、モチーフで彩られている |
では、次にそれぞれの駅を見ていきましょう。まずは、ニュータウン内にある4駅の中でもっとも国道246号、東急田園都市線に近い駅、中川です。国道246号を渋谷方向を背に左折、坂を上がり、並木が見えてきたら、もうそこがニュータウンエリアで、中川駅はそこからすぐ。4駅中もっとも静かな雰囲気の場所です。
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中川駅周辺では、土曜日の昼過ぎでも住民以外の姿は少ない |
センター北駅、センター南駅はそれぞれ、ニュータウン外からも人が集まる街ですし、仲町台はセンター内の人が集まります。しかし、中川は外部の人が買い物、遊びなどに来る場所ではなく、その分、雑踏とは無縁。住まいの条件として環境を重視する人向きの街のようです。
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ケーキ屋さんやイタリアンレストランなどが並ぶ一画 |
といっても、早くから開発されてきた場所だけに、スーパーや大型家電店、しゃれた花屋さんやケーキ屋さんなどもあり、生活に不便はありません。駅近くには都筑区内に4カ所ある地区センターのひとつ、中川西地区センターがあり、スポーツ教室、子どものための料理教室などが開かれています。図書スペースや子どもを遊ばせる場もあります。近くに農業専用地域があるので、日曜日の朝には駅前で地元の野菜を売る朝市も立ちます。
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ハウスクエア横浜は20を越すモデルハウスが立ち並ぶ、日本有数の住宅展示場。イベントなどもしばしば行われている |
また、駅のすぐ近くには、日本でも有数の規模を誇る住宅展示場があり、一戸建てを検討している人なら、一度見ておきたいところです。
では、次ページではセンター北駅、センター南駅を見ていきましょう。