住みたい街 首都圏/住みたい街の見つけ方

資産価値で考える買って得する街 前編(2ページ目)

住宅を買うとき、資産価値という言葉を思い浮かべない人はいないでしょう。せっかく買うのですから、当然、長く価値が下がらない街がいい。では、その資産価値が高い、損しない街とはどんな街なのでしょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

不動産で希少性が高いのは
都心や古くから開発されてきた街

鎌倉八幡宮
都心から離れていても、古くから開発され、ブランド力のある街は希少性が高い
では、不動産の場合の希少性とはなんでしょう。まず思いつくのは供給数です。現状で供給数が少なく、今後も増えそうにない、そんな街のほうが、これからいくらでもマンションが建つような街よりは希少性が高い、価値があるということになります。

工事中の風景
土地に余裕があり、大規模なマンションが数多く建てられる地域はいずれ希少性が薄れていく可能性が高い
具体的には駅周辺はもちろん、駅から10分圏内にもすでにビル、マンションなどが建設されているような街。都心や歴史のある住宅街の多くはこの範疇に入ります。こうした街では今後開発されるような空き地や転用されるような工場、その他の施設が少なく、たまにマンションが建設されると「もう2度と出ない立地」などと評されます。逆に、再開発などでこれから街区が作られる、マンションが建設されるという街ではまだまだ物件が増えるので、それに伴い、希少性は失われる可能性があります。

時間圏と範囲
所要時間が増えると、それ以上に対象となるエリアが広がることになる
また、同じ街の中では駅から近ければ近いほど希少価値は高いことになります。駅からの距離で円を描いてみれば分かりますが、3分圏と6分圏では所要時間は2倍になるだけですが、対象となる面積は4倍近くに増えます。それだけ対象となる地域が広がるわけで、希少性は薄くなっていかざるを得ません。

欲しい人、つまり買いたい人が多いことも大事な点です。マンションを買いたい人が少ない、供給数の少ない地域のマンションは数としての希少性はあるものの、買ってはもらえません。それではダメなのです。

しかし、希少性の高い都心や古くから開発されてきた街は価格が高く、なかなか手が出るものではありません。では、予算内で資産価値が最も高い住まいを選ぶためにはどうすればいいか、次回、解説をしたいと思います。

また、立地以外に建物全体、個別の住戸、間取り、設備などにも希少性はありますが、前述したように大きく価値を決めるのは立地であるということ、また、このサイトのテーマが街であることから、それらについてはここでは触れません。
 
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