子宮体がんの早期発見・検査法
早期発見には子宮がん検診が有効。
子宮頸がんの検査と違って、子宮の奥の方まで細胞を擦り取る細い器具を入れなければいけないので、多少痛みを伴うのが難点ですが、40歳以上でリスクが高い方や不正出血がある方はきちんと検査を受けておいた方がいいでしょう。
子宮体がんの診断法
子宮体がん検診で「疑陽性」や「陽性」の結果が出た場合、さらに詳しく調べるために「内膜組織診」という検査を行います。組織診の結果が「単純子宮内膜増殖症」であった場合は、そのまま定期検査で様子をみたり、それ以上病気が進まないようにピルで治療したりします。少し病変が進んで「複雑型異型内膜増殖症」という結果だった場合は、より詳しく調べるために、麻酔をかけて「子宮内膜全面掻爬」という手術を行います。子宮内膜を全部掻き出してわずかでも「がん細胞」が含まれていないかくまなく調べるわけです。
子宮体がんの治療法
詳しい検査の結果が「複雑型異型内膜増殖症」だった場合、いわゆる「前がん状態」なので、お腹をあける手術をして子宮を摘出します。まだ「がん」にはなっていないので基本的に周りに広がったり転移したりはしていません。子宮を取るだけでほぼ完治が期待できます。稀に30代でもこの状態になることがありますが、ご本人が将来妊娠を希望している場合は子宮をとらずホルモン治療を行っていきます。
いずれかの検査で「子宮体がん」という結果が出た場合は、MRIなどで病気の広がり具合を確認してから、子宮や卵巣やリンパ節を取る手術を行います。子宮頸がんと同じく、病気の広がり具合によっては術後に放射線治療や抗がん剤による治療を追加することもあります。
子宮体がんの予防法
予防法は、「適切な体重を保つ」「月経不順を放置しない」「脂肪の多い食事を摂らない」「低用量ピルを飲む」などです。脂肪の取りすぎや肥満はすぐにでも改善できるはずですから、心当たりのある方は生活改善を心がけてください。低用量ピルは、元々避妊のために開発された合成ホルモン剤ですが、子宮内膜を非常に薄く保つ働きがあるので、子宮体がんのリスクをかなり下げてくれるんですよ。低用量ピルを10年間飲むと子宮体がんのリスクは2割程度まで低くなるというデータもあります。特に、月経不順の人は子宮体がん予防のためにもピルで月経サイクルを整えておくことをお勧めします。